近年、タイ、シンガポール、マレーシア、インドなど多くの国が高速鉄道の建設計画を立てている。その建設距離は合計1万kmを超えると推計されている。こうした国々はいずれも、高速鉄道の建設技術が十分に高くない。そのため高速鉄道の設計・建設・運営の経験を持つ国々は、この巨大な「パイ」をねらった争いを繰り広げている。中国と日本はまさに、この競争のまっただ中にいる。国際商報が伝えた。
日本はずっと「新幹線」を世界中に売り込んできた。高速鉄道建設の分野での後から来た「新人」である中国も、大量の国際的なプロジェクトを引き受けてきた。東南アジア市場での高速鉄道の中日間の競り合いは、一体どちらが優位に立っているのだろうか。
▽コストの低さで先手に
欧州の高速鉄道技術は建設コストが高い。そのため東南アジアの高速鉄道市場の主要な競争者は、世界的に見ても中国と日本ということになる。
戦略管理と販売管理の専門家として名高い北京大学経済学院の薛旭・准教授は取材に対し、価格と戦略の面から考れば、中国の高速鉄道の方が競争で優位に立っていることは間違いないと指摘した。中国社会科学院アジア太平洋・世界戦略研究院の李天国・助理研究員も同様の見方を示した。
中国の優位は具体的には3つの面から考えられる。
第一に、中国の高速鉄道技術そのものは日本より劣っておらず、走行距離と規模から見ても、技術や信頼性の面から見ても遜色はない。
第二に、中国の高速鉄道は理論的に言えばより安い。材料コストも人件コストも低い。この点からは、中国の高速鉄道を受け入れる東南アジア諸国にとっては負担が少ないことを意味する。薛旭氏によると、コストの面では、高速鉄道の建設には、労働力と建設を進めるためのコスト、さらには工事後のメンテナンスのコストが含まれるという。日本とASEAN諸国は海を隔てて離れている上、日本は人件コストが高い国であり続けており、高速鉄道を建設する東南アジア諸国はこうした要素も考慮に入れる必要がある。