共同通信の14日付報道によると、日本の安倍晋三首相は15~18日にイタリア・ミラノを訪問し、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議に出席する。安倍首相はこの間にロシアのプーチン大統領と非公式に接触し、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議期間の首脳会談開催に向けて雰囲気を盛り上げるつもりだ。人民日報海外版が伝えた。
■情勢緩和 会談を切実に望む
最近ウクライナ情勢が多少緩和し、日露関係にも好転の兆しが生じているようだ。
共同通信の7日付報道によると、安倍首相は同日プーチン大統領と電話会談し、11月のAPEC首脳会議期間に首脳会談を行う考えで一致した。岸田文雄外相の訪露計画についても協議するとされ、プーチン大統領訪日に向けた地ならしと見られている。
安倍首相が前回プーチン大統領と話を交わしたのは今年2月のロシア・ソチでの首脳会談だ。その後、ウクライナ危機で日本が米欧と足並みを揃えて対露制裁を発動したため、日露関係は硬直化。今年秋に予定していたプーチン大統領の訪日も延期された。
半年以上会えなかった安倍首相は、いささか待ちきれないようだ。北京でのプーチン大統領との正式な会談の前に、安倍首相はまずミラノでの「立ち話」を積極的に探っている。共同通信の9日付報道によると、安倍首相はASEM首脳会議でプーチン大統領と非公式に接触することを検討しており、会議前後に控室などで短時間話し合うことを望んでいる。
安倍首相の積極的な友好アピールに、ロシア側も調子を合わせている。ロシアのウシャコフ大統領補佐官は9日、プーチン大統領が安倍首相とASEM首脳会議で接触する可能性を「排除」しなかったうえ、前向きな姿勢を示した。
■会談の背景には多くの考え
安倍首相はどんな計算があって、プーチン大統領との会談をこれほど急いでいるのだろうか。「現在、安倍首相は北東アジア全体の外交で非常に孤立した状況に置かれており、中国、韓国、ロシアといった隣国とはいずれも対峙している。このため安倍首相はプーチン大統領と会うことで、外交的孤立を打開することを差し迫って必要としている」。外交学院国際関係研究所の周永生教授の分析によると、安倍首相にとってはプーチン大統領と会うこと自体が外交上の突破口であり、北東アジア地域における自らの外交的失敗に対する日本国内の不満をある程度緩和することができる。