中国人民銀行(中央銀行)とロシア連邦中央銀行は13日、1500億元(1元は約17.5円)・8150億ルーブル(1ルーブルは約2.6円)の通貨スワップ協定を締結した。人民元国際化にとってのさらなる進展となる。人民日報が伝えた。
人民元の世界清算ネットワークの建設は年初以来、急速な進展を見せている。人民元清算システムの協力覚書が合計5本締結され、欧州のロンドンやフランクフルト、パリ、ルクセンブルク、さらに韓国ソウルにも人民元清算システムが設けられた。
▽人民元国際清算の世界ネットワークがほぼ形成
9月16日、中国工商銀行ルクセンブルク支店は、ルクセンブルク人民元業務清算銀行となった。工商銀行にとっては欧州地区で初めての人民元清算銀行となる。9月15日には、中国銀行パリ支店がパリの人民元業務清算銀行となった。今年6月に中国銀行がフランクフルトで人民元清算銀行になったのに続き、欧州大陸での再度の認可獲得となった。さらに建設銀行も6月、ロンドンの人民元業務清算銀行を担当する認可を中央銀行に受けている。欧州市場にはこのように、フランクフルトやロンドン、・パリ、ルクセンブルクなど中央銀行に認められた人民元清算銀行が存在している。
7月28日には、中国銀行とオーストラリア証券取引所が共同開発した人民元清算システムがオーストラリアでの運営を成功させている。人民元は、オーストラリア現地の清算システムに入れられた最初の外国通貨となる。7月4日には、交通銀行がソウルの人民元業務清算銀行となることが中央銀行によって発表された。
専門家によると、人民元清算システムは現在、アジア・欧州・豪州などの主要地域をカバーし、24時間サービスを提供する人民元清算世界ネットワークをすでに形成している。人民元の国際化が速まっていることがわかる。人民元国際清算システムは、海外の巨大な資金の取り引きに技術サポートを提供するだけでなく、現地の住民や企業が人民元を喜んで受け入れることに通じる。
▽人民元の外貨との直接取引、リスク回避やコスト削減に
人民元は日本円と豪ドル、NZドルとの直接取引を開始したのに続き、6月18日には英ポンドとの直接取引を銀行間外貨市場で正式に開始した。7月には、中国工商銀行ソウル支店が、人民元対韓国ウォンレートの対外直接提示をソウルの外貨市場で初めて行い、韓国の商業銀行との最初の業務に成功した。9月29日には、中央銀行の認可を受け、中国外貨取引センターが、銀行間外貨市場で人民元のユーロに対する直接取引を行うことを宣言した。
人民元と重要外貨との直接取引は、取引の双方が米ドルを介して取引をする際の為替コストの節約になっただけでなく、米ドルという仲介を脱却し、人民元と各種外貨の直接レートを形成し、双方間の貿易や投資への人民元の使用を促進することにつながった。
専門家によると、人民元の国際化の加速は、中国と海外の企業と住民へのサービスのレベルを高め、企業が為替リスクを回避することを助け、取引コストを引き下げ、人々の観光などの活動を便利にするものだ。同時に、国家戦略から見れば、人民元の国際化は、中国の大きすぎる外貨準備を減少させ、通貨政策の自主性を増強するものともなる。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年10月15日