2014年10月14日  
 

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多国籍企業、利益移転でGDPのみを残してはならない

人民網日本語版 2014年10月14日07:58

中国国家税務総局はこのほど、税源浸食と利益移転(BEPS)プロジェクト2014の成果を公表した。世界経済における利益のうち、少なくとも50%以上が国際貿易で得た利益で、特に企業グループのクロスボーダー関連取引が巨額になっていた。また、多国籍企業貿易の内部化が加速しており、企業の納税回避をねらった対策が世界規模で加速化していることを示している。多国籍企業は、産業チェーンが大きく、関連企業も多く、さらに組織構造も複雑であるため、各国の税制の差を利用して、納税を回避することができる。また、関連の取引相手を通して、課税利益を消失させたり、実質的な経営活動がほとんどない、あるいは全くないにもかかわらず、かかる税金が低い国や地域に利益を転移したりすることで、企業の所得税を全く払わない、またはほとんど払わなくてもよい状態にしている。そのため、各国にとって税源が浸食されている状態となっている。人民日報が報じた。

中国の多国籍企業も顕著に税金回避を行っている。統計によると、中国には外資系企業が40万社以上あり、米誌フォーチュンが毎年発表している世界企業500社番付のうち約490家社が中国で投資を行っている。また、多国籍企業が設立している研究開発センターや地域本部などの名目の機構が1600機構ある。中には中国に置く企業が大量の資金を消費するようにし、親会社に大きな価値をもたらしているにもかかわらず、税金対策のために利益を別の地域に移しているため、実際の収益が全く反映されず、中国にとっては税収の大幅減となっている多国籍企業もある。長期間にわたり「赤字」を計上し、企業の所得税を全く納めない多国籍企業さえある。「中国で投資して企業を起こし、国内総生産(GDP)にだけ貢献しておいて、利益をすべて持ち去ればいい」と、ざっくばらんに話す多国籍企業もある。

このような言い方は不公平で、人を不快な気分にさせる。中国は、多国籍企業の経済活動拠点となり、労働力や土地、水、電気などの資源だけでなく、巨大な市場まで提供している。そのため、相応の利益がなければ理にかなっていない。なぜ、多くの利益を多国籍企業に持ち去られ、GDPの数値だけが上がるという状態にならなければならないのだろう。これでは、赤字覚悟の開店セールのようなもので、国家の税收を泣く泣くあきらめている状態ではないだろうか。

多国籍企業の税金逃れイコール外資系企業と考えている人も多い。実際には、経済のグローバル化が進み、中国企業の海外進出が加速するにつれ、多くの中国本土の企業も多国籍企業の隊列に加わっている。そのような企業にも、税源浸食や利益転移が存在する。例えば、一部の中国企業は海外で上場している機構を通して、実質的な経済活動のないペーパーカンパニーを「租税回避天国」に設置して本社を移し、自社の核心ブランドなど無形資産も移転させている。そして、元々中国にあった本社が子会社になり、主な生産や経営、消費市場は中国であるにもかかわらず、子会社が「本部」に、高額の商標使用費用を支払うことで、中国の子会社の利益が大幅に減少している。中国市場で、中国の消費者が育てたブランドであるにもかかわらず、利益は海外にある「本社」が全て得ている。

新たな国際税収改革の目標は、税收と実際の経済活動、価値などが相応になるようにすることだ。中国は、歴史的好機をものにすると同時に、新たな国際税収規則の制定や税制改革に積極的に参加し、公正かつ健全な国際税制秩序を構築しなければならない。また、新たな対策を講じて、国際社会と共に、税源浸食と利益移転を根絶し、多国籍企業が中国のGDP数値を押し上げるだけでなく、合理的な利益と税収も残すようにしなければならない。(編集KN)

「人民網日本語版」2014年10月14日

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