日本の菅義偉官房長官は24日の記者会見で、ウクライナ情勢の影響を受けて、ロシアに対する追加制裁を同日発動することを決定したと発表した。ロシア連邦貯蓄銀行など5金融機関の日本国内での証券発行制限、対露武器輸出および技術移転の制限強化などが柱だ。菅氏はまた、ロシアのイワノフ大統領府長官が日露間の係争島嶼である北方四島(ロシア名・南クリル諸島)を訪問したことについて、ロシア政府に抗議したことを明らかにした。菅氏は「北方四島は日本の領土であり、ロシア政府高官の訪問は絶対に容認できない」と強調した。
日本側の抗議に対してイワノフ氏は「私が南クリル諸島を訪問するのは初めてではないし、現地の社会・経済発展問題の解決が主な目的で、政治問題とは関係ない」と表明した。
日本メディアの分析によると、日本側はウクライナ情勢の影響を受けてもなおプーチン大統領を今年秋に招待する方針を変えていないが、すでにこの計画はほぼ暗礁に乗り上げているうえ、今回の追加制裁によって日露関係はさらに冷え込む可能性がある。だが安倍晋三首相は北方領土問題解決のため、両国関係の過度の悪化は避けたい考えだ。このため菅義偉官房長官は記者会見で「ロシア側がウクライナ危機の平和的解決のために積極的な行動を取れば、日本側は制裁措置を調整または解除する」と強調した。
日本の対露制裁発動は今年3月のウクライナ危機発生以来、4回目だ。プーチン大統領との個人的信頼関係をさらに強化することで、長年の懸案となっている北方領土問題の解決を推進したい安倍内閣としては、過去3回の制裁は欧米各国と比べて、相対的に発動が遅く、程度も軽いものだった。
森喜朗元首相が10日、安倍首相の親書をプーチン大統領に手渡したのに続き、安倍首相は21日に自らプーチン大統領と電話会談し、APEC期間の首脳会談開催を提案した。日本メディアの分析によると、日本はこうした行動を通じて、ロシアとの対話継続を重視する姿勢を示した。日本はウクライナ問題では米国やEUと足並みを揃え、対露経済制裁を強化せざるを得ない。その一方で、安倍首相は北方領土問題解決のため、プーチン大統領との関係維持を強く望んでいる。現在日本が置かれたこの境地は、非常に厄介なものだ。
毎日新聞の報道によると、日本政府はニューヨークで日露外相会談を行う可能性についてロシア側に打診したが、「日程が合わない」として断られた。ロシアが日露外相会談を断ったのは、ウクライナ問題でG7との協調強化を重視する日本を牽制するためだと分析される。
ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ研究員は人民日報の取材に「日本はウクライナ問題で欧米諸国と同じ立場に立ち続けているうえ、対露制裁を繰り返し発動した。これが両国関係になんらプラスの影響をもたらさないのは明らかだ。しかも鍵となる領土問題において、露日間には共通認識が存在しない。従って、両国関係を短期間に改善することは難しい」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年9月26日