東風日産はさらに、大連工場の操業開始を手がかりに、「北進戦略」を打ち出し、南北市場の戦略がバランスを欠いていたこれまでの局面を調整していくという。
新車発表で販売台数を伸ばそうというメーカーが多い中、新車販売で失敗を重ねた本田は、「安全」というカードを切った。本田は中国で行われた発表会で、中国市場初の「FUNTEC SAFETY 『ゼロ事故』社会の創造」というスローガンを打ち出し、広汽本田の「奥徳賽(ODYSSEY)」と東風本田の「SPIRIOR(思鉑叡)」に搭載した多機能の自動安全技術を重点的に紹介した。
広汽本田は10月末、中国初公開となる車対車の傾斜角15度のスモールオーバーラップ衝突実験を行う。メーカー側の計画によると、本田の主力車種である第9世代アコードを時速56km・傾斜角15度・オーバーラップ率25%で衝突させる。安全性を全面に打ち出したボルボが成功していることで、本田も安全を切り札に勝負しようとしている。
だが本田の安全性には懸念もある。英ロイター社の報道によると、本田はこのほど、座席シートベルトに欠陥が見つかった高級車アキュラ約4万3000台を米国でリコールすることを発表した。リコール対象には中国の700台余りも含まれる。リコールされた車種は、前の座席のシートベルトが-17.7度で引き出せなくなり、安全に問題があるという。
米国の自動車専門サイト「Edmunds.com」によると、米国家道路交通安全局(NHTSA)はこのほど声明を出し、本田が6292台の2015年型フィットのリコールを宣言したことを明らかにした。これによると、同車種のAピラーパネルの組み立てに誤りがあり、危険が発生した時にエアバッグが開かない可能性がある。本田が安全で中国の消費者にアピールするための道のりはまだ長い。
大規模な新車投入、生産力の拡大、戦略の調整、人目を引く計画の打ち出しなど、日系自動車メーカーは自らの努力を通じて、中国での発展がまた春を迎える日を望んでいる。だが競争のますます激化する中国の自動車市場で、日系メーカーのこうした措置は中国の消費者の肯定的な反応を得られるか。また日系メーカーは、ドイツ系メーカーや米国系メーカーの包囲網を突破できるか。その答えが出るにはまだもう少し時間がかかりそうだ。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年10月23日