「今年は、東風日産にとっては『不作の年』」。東風日産乗用車公司の任勇・副総経理は東風日産大連工場の記者会見で率直な感想をもらした。環球網が伝えた。
任勇氏のこの感想は、中国に展開する日系自動車メーカーの心境を端的に表したものと言える。日産や本田は中国での販売台数をいずれも減少させている。販売台数減少は本田が23%、日産が20%に達している。
英ロイター社の報道によると、日産自動車の中国の販売台数は9月、前年同月比20%減の9.37万台にまで落ち込んだ。日産はこれについて、乗用車分野での競争が激化しているためとしている。日産の中国での販売台数は今年7月には同12.3%減、8月には0.7%減だった。
本田の状況はさらに苦しい。共同通信社の報道によると、本田自動車が8日に発表したデータによると、中国での新車販売台数は9月、前年同期比23.1%減の5万6900台に落ち込んだ。主力車種のアコードとSUVのCR-Vの売り上げも振るわなかった。
販売台数減少で、各メーカーは目標達成の自信を失っている。将来の不利な局面に備えるために予想販売台数を減らすメーカーもある。4年連続で既定の販売目標を達成できない可能性が出てきた一汽豊田は、販売目標の見直しに踏み切った。
日系メーカーのほとんどが今年、中国で不調に陥っているのは争いようのない事実だ。
売り上げは低迷しているものの、巨大な潜在力を誇る中国の自動車市場を諦める気は各社ともなく、それぞれ局面打開のための自助努力を進めている。生産力を拡大し、土台を整えて実力をつけようという戦略は、低迷期を乗り切るための各社で共通する戦略の一つ。東風日産の大連工場はその最も新しい試みと言える。同工場は、東風日産の4番目に大きな工場となり、一期プロジェクトだけで総額50億元(1元は約17.5円)が投じられた。NISSANブランドのSUV車種を生産し、生産能力は年間15万台に達する。
企業戦略の補強も重要な選択の一つとなっている。東風日産大連工場の操業開始とほぼ同時期、創立10周年を迎えた広汽豊田は中期計画の発表会を開き、「スマイル戦略」を全面的に始動した。この戦略計画によると、広汽豊田は2020年までに、主要な細分市場をすべてカバーする10車種以上からなるラインナップを形成し、販売網を現在の2倍に拡大し、年間生産台数を100万台に増加させることとしている。また同社は今後の発展の重点を中小型車と位置付け、販売台数に占める中小型車の割合を40%以上とする計画だ。