・安定した急速な伸びを維持する
今年に入ってから、国内の消費市場は全体として穏やかな運営状態となった。商務部の沈丹陽報道官は、「今年の残りの数カ月間も、消費市場は安定した急速な伸びを維持するとみられ、社会消費財小売総額は通年で12%以上の伸びを達成する見込だ」と述べた。
同部のモニタリング対象である重点小売企業500社の1~9月の売上高は前年同期比6.3%増加した。特徴として、▽消費市場はインターネットを介した小売の伸びが速かった、▽小規模・零細企業の販売が好調に伸びた、▽情報製品やサービス消費の伸びが安定していた、▽文化や観光関連の消費が引き続き伸びた、などが挙げられる。
・9月も対外貿易の伸びが加速 貿易黒字は縮小
税関がまとめた統計によると、今年9月の輸出入額は2兆4417億元(1元は約17.5円)で前年同月比11.2%増加し、輸出は1兆3159元で同15.1%の増加、輸入は1兆1258億元で同6.9%の増加だった。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1901億元の黒字で、黒字額は前年同月の2.1倍の増加にとどまったという。同部の沈丹陽報道官は9月の対外貿易の運営における主な特徴として、次の5点を挙げた。
(1)輸出入の伸びが引き続き加速し、貿易黒字が縮小した。
(2)加工貿易の伸びが急速で、一般貿易の輸入が引き続き低迷した。
(3)周辺地域の一部が貿易の伸びに対して大きく貢献し、新興エコノミーからの輸入は回復した。
(4)電気機械製品とハイテク製品の輸出の伸びが加速し、大口商品の輸入価格は軒並み低下した。
(5)中部・西部地域の占める割合が引き続き上昇し、東部地域の持ち直しが目立った。
9月の輸出データは高すぎ?
記者からの9月の輸出データには実態よりも高すぎる部分がないかとの質問に対し、沈丹陽報道官は「増加率は正常なものだ」と回答した。
沈報道官によると、9月の全国の輸出額は2137億ドル(約22兆7098億円)で前年同月比15.3%増加し、増加率は前月を5.9ポイント上回った。この増加率は正常なもので、対外貿易の安定的成長をはかるための措置が効果を現したこと、国際市場で需要が回復したことによるものであり、また比較の対象となる昨年同月の数字が比較的低かったこととも関係があるという。
原因は3つに挙げられる。
①輸出商品の検査項目が減少し、全体として費用負担が軽減したことと、通関ペースが速くなったこと。
②第3四半期(7-9月)以降、世界経済の安定回復傾向が続き、国際貿易の増加率が加速したことだ。
③昨年9月の輸出は前年同月に比べて0.4%減少し、同年で2番目に低い増加率となったことだ。比較の対象となる昨年9月のデータの増加率の低さが、今年9月の輸出の急速な増加を招いた重要な原因の一つだ。
今年1~9月に新規設立された外資系企業は1万7247社に上り、前年同期比5.5%増加した。実行ベース外資導入額(銀行、証券、保険分野のデータを除く。以下同じ)は873億6千万ドルで同1.4%減少した。9月の外資系企業新規設立数は2047社で同9.4%増加し、実行ベース外資導入額は90億1千万ドルで前年同月比1.9%増加した。
沈報道官によると、国際情勢や国内情勢に大きな変動が生じなければ、全国の外資導入状況は今年も安定した様相を呈する見込だ。ここ2カ月間に、または先月には外資系企業による投資額が増えており、これはごく正常なことだという。
第1~3四半期(1~9月)のデータをみると、中国の対外投資額は前年同期比21.6%増加しており、目下の中国の対外投資情勢は非常に喜ばしいものだ。今年上半期には、月ごとにみれば、対外直接投資の増加幅にいくつかの変動があったが、これは主として中国企業の海外での合併買収(M&A)の過程で出現したいくつかの不確定要因の影響によるものだ。実際には、中国の対外直接投資は今年も引き続き良好な発展傾向を維持した。
商務部、APEC会議でアジア太平洋自由貿易圏を重点的に推進
11月7日-8日にAPEC閣僚会議が、11月10日-11日に第22回APEC非公式首脳会議が北京でそれぞれ行われる。
沈報道官によると、今回のAPEC首脳会議のテーマは「未来に向かうアジア太平洋パートナーシップの共同構築」だ。このテーマの下に、3つの重要な議題がある。それは、▽地域経済の一体化の推進、▽経済の革新的な発展・改革・成長の促進、▽全面的なコネクティビティとインフラ建設の強化だ。
沈報道官は「この3つの議題からも分かるように、経済貿易分野の議題が会議の重点となる。中国は地域経済の一体化を中心とし、FTAAPの構築を重点的に推進し、多角的貿易体制を支持し、保護貿易主義に反対し、世界のバリューチェーンとサプライチェーンの接続・協力を推進し、投資の自由化・便利化を推進していく――」と述べた。
(編集JZ)
「人民網日本語版」2014年10月23日