〇「善意溢れるサービス」を経験
旅館をチェックアウトするときには、客室の点検が済むのを待つ必要はなく、カードキーをフロントに返却すれば、すぐに旅館を後にすることができる。「信用できる人間」という前提があるため、宿泊客が万一、客室内の設備を破損したとしても、客が自ら申し出てくると信じられている。このような信用は、人の心を温かくする。日本では、地下鉄や新幹線に乗る際、安全検査は行われていない。大都市を歩く場合でも、鞄をひったくられるかもしれないという用心は全く無用だ。
歴史的理由や現実的理由から、中国人が日本を旅行する時の心理状態は、やや複雑なものがある。したがって、中国人は、より敏感かつ猜疑的な眼で、日本や日本人を見ているかもしれない。だが、日本の公共施設は、極めて実用的かつ念入りに設計されており、日本人がサービスする態度は、極めて謙虚で礼儀正しく周到である。この点で、日本の右に出る国は、世界のどこを探しても見つからない。