中国教育在線が発表した「2015年全国大学院生入学データ調査報告」によると、15年度、中国全土で修士課程の入学試験を受けた学生の数は、前年比6万5千人減の164万9千人だった。約20年増加の一途をたどっていた修士課程の受験者数は、14年度に減少に転じ、今年もその傾向を引き継いだ形となった。
大学院受験をめぐっては、多くの省・市の合格者数が募集数に達さず、遼寧省、黒竜江省、内蒙古(モンゴル)自治区、甘粛省、河南省、河北省はそれぞれ、6.56%、6.14%、5%、3.88%、3.36%、2.97%減だった。また、一部の大学によると、第2次試験に進む学生が減少しているほか、学生の質も低下し、合格者選出も難航。過去にない現象が起こっているという。
それでも、同報告によると、15年度、経済・経営系の専攻学科は人気を保っており、経営学や会計などの人気が特に高い。地域別に見ると、北京、江蘇省、上海、天津、湖北省の5地域に受験者が集中し、全体の約50%を占めた。
中国で1981年に学位制度が制定されて以来、約30年の間に、49万人が博士号を取得したほか、426万人が修士号を取得。うち、約半数が最近5年に取得した。中国では、1999年を起点に修士生が急増し、03年から、修士号の授与数が35.35%増と激増。同年、修士号を取得した学生の数が初めて10万を超え、12万186人に達した。それから、06年まで急増を続け、07年に増加の速度が緩まった。そして、14年には減少に転じ、15年もその流れを引き継いだ。
同報告は、「中国の大学院の中退率は5%以下。一方、教育先進国は中退率が30—50%。つまり、中国は大学院に入りやすく、卒業も簡単。そのため、修士号の価値が下がり、学生にとって魅力がなくなっている」と分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年12月30日