関連する商業銀行が28日に明らかにしたところによると、中国人民銀行(中央銀行)はこのほど、2015年より預金の統計方法を調整し、銀行間預金を一般預金に組み込む旨の文書を通達した。専門家は、「この措置により銀行の預貸率が低下し、銀行の資金投入が増加するだろう」との見方を示す。京華時報が伝えた。
ある株式制商業銀行の担当者は「人民銀行の文書は26日には各銀行に届けられた。もともと銀行間預金に属していた預金が、一般預金に組み込まれることになる。これには、預金類金融機構が調達した証券類および取引決済預金、銀行業非預金性預け金などが含まれる。しかし、新しく一般預金に組み込まれた預金に適用される預金準備金は暫定的にゼロとなっている。つまり、アリババ(阿里巴巴)グループのファンド投資サービス・余額宝を代表とする通貨ファンドはしばらくの間、準備金を納付する必要がないということだ」と指摘する。
中央財経大学の郭田勇教授は「銀行間預金は一般預金に組み込まれることになるが、暫定的に預金準備金を納付する必要がない。これにより、預貸率算出時の分母が拡大し、銀行の預貸率が下がり、銀行の資金投入が増えることになる」と指摘する。
海通証券の見積もりによると、預金の統計方法を調整した後、商業銀行の預貸率は平均で5%低下する。低下率が最も高い興業銀行では、11%低下する。これにより、約5兆5千億元(1元は約19.3円)の貸付限度額が開放されることになる。
文書が通達された後、余額宝を代表とする通貨ファンドが集めた預金は、将来的に預金準備金を納付することになる。ただし、文書の規定によると、こうした預金に適用される準備金率は暫定的にゼロとされている。国泰君安のアナリスト・徐寒飛氏は「中央銀行は預金準備金率を暫定的にゼロとし、将来の準備金納付に向けた可能性を残した。もしこれらのファンドが準備金を納付することになれば、投資に使う資金が減少し、資金の収益率が減少するだろう」との見方を示す。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年12月29日