郭田勇氏「財政政策が強化、通貨政策は市場の状況に合わせて機動的に決定」
馬暁河氏「経済の新常態、新たな成長の極が成長をけん引」
12月9日から11日にかけて開催された中央経済政策会議において、新常態(ニューノーマル)を認識し、新常態に適応し、新常態を引率することが、現在および今後の一定期間における中国経済発展の重要な客観的法則(ロジック)であると提起された。会議の閉幕から2日後、習近平主席が江蘇省を視察した際も、再度「経済発展の新常態を能動的に把握し、積極的に適応していかなければならない」と強調している。
2015年が、経済発展が新常態に入る重要な一年となるのは間違いない。中央経済政策会議では、来年は、経済の安定成長を維持し、引き続き積極的な財政政策と穏健な金融政策を実施することが提起されたほか、「積極的な財政政策に力を入れ、金融政策は適度な緩和と引き締めをより重視する」ことが強調された。
中央財経大学中国銀行業研究センターの郭田勇センター長は取材に対し、以下のように述べた。
「積極的な財政政策には、マクロ・ミクロの社会政策が含まれる。来年は、よりバランスのとれた包括的成長を促進し、マクロ面で中所得国の罠に陥るのを回避するために、これらの政策が強化されるだろう」
「金融政策は、全体的に穏健を保つという原則にのっとり、実体経済の革新力を経済成長けん引の原動力とする必要がある。通貨そのものの役割を一方的に強調してはならない。来年の金融政策は『適度な緩和と引き締め』を重視する、つまり、経済発展の実情に基づき、市場の状況などに合わせて機動的に決定を下すということだ。ある程度の下落・低下が見られた場合、新たな量的緩和措置を講じてはならないが、全く何もしないのも良くない。適度な調整が必要だ」
国家発展改革委員会マクロ経済研究院の馬暁河副院長は、次のように指摘した。
「中央経済政策会議は来年の経済分野における5大任務を確定した。中でも最も注目すべきは『経済発展の空間的な配置を改善する』だ」
「中央政府は、『一ベルト、一ロード(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)』、『北京・天津・河北の共同発展』、『長江経済ベルト』の3大戦略を重点的に実施すると表明し、来年に良いスタートを切ろうとしている。つまり、来年以降の経済成長はおそらく、空間的な配置によってもたらされた新たな成長の極によってけん引されるということだ」
「これら3大戦略と既存の地域発展全体戦略は、互いに矛盾するわけではない。例えば、長江経済ベルトは中部・東部・西部をつなぎ、発達した地域が立ち遅れた地域の発展をけん引するというものだ。今年9月に国務院が発表した「黄金水道に依拠した長江経済ベルト発展推進に関する指導意見(ガイドライン)」では、鉄道・道路・航空・パイプラインの建設を統一的に計画し、総合立体交通回廊を建設すること、および世界クラスの産業クラスターと都市群を建設することが提起された。ここからも、地域連動の構想が伺える」(編集SN)
「人民網日本語版」2014年12月29日