ソニーのゲーム機「プレイステーション4」(PS4)はライバルのマイクロソフト社の「Xbox」と同様、中国市場進出の旅で延期せざるを得ないという挫折に見舞われている。ソニーは8日に公式ブログを通じて、今月11日に予定されていたPS4、「プレイステーション・ヴィータ」(PSVita)、関連部品、関連ゲームソフトの中国市場での発売を遅らせることを明らかにした。「北京商報」が伝えた。
ソニーは発売の具体的な日時は別途通知するとしている。またソニーは当該製品の予約受付もストップした。発売延期の具体的な理由についてソニーの責任者は何もコメントしていないが、業界関係者の間ではコンテンツの審査などの行政審査の段階で問題が生じた可能性が大きいとの見方が一般的だ。
数日前に文化部(文化省)文化市場司が明らかにしたところによると、PS4にリージョンコードが設定されていないとの通報が寄せられた。これはつまり、PS4で監督管理部門が認可していない他国で販売されたゲームコンテンツを操作できるということだ。PS4で操作できるコンテンツに暴力、麻薬、犯罪などの違法行為に関わる部分があったという通報もあった。現在、同部はまだソニーに違法行為があったかどうかを確定できておらず、上海市の監督管理部門が確認作業をを進めている。また一部の評価テスト機関がPS4を調べたところ、中国版PS4では認可されていないゲームを少なくとも2種類は操作できたという。
マイクロソフトのXboxもコンテンツ審査の問題で、前日になって発売日の延期を発表し、1週間遅れでようやく中国市場に進出したという経緯がある。
業界ウォッチャーは、「ゲーム機のコンテンツは価値観やイデオロギーの輸出につながりやすく、10数年にわたった中国国内のゲーム機輸入禁止令が解除されたとはいえ、海外ゲーム大手の中国市場進出の旅は絶対に気楽なものにはならず、ゲーム機は中国市場進出にあたって必ず厳格な行政審査プロセスに直面することになる。ゲームを楽しむ側にとっては、優れたゲーム作品には値段に左右されない硬直的な市場ニーズがある。ソニーもマイクロソフトも中国大陸部の広大な成長市場に野望を抱き、まず第一弾として海外で成熟を迎えた重量級の大作コンテンツを投入して利用者を一気に獲得しようとするが、中国の監督管理政策による制約があり、海外で重量級とされた選りすぐりのコンテンツでも審査を通らないリスクがある。また中国のゲーム作品には大作が少ない。こうした矛盾が、マイクロソフトとソニーが中国ゲーム機市場進出にあたってともに直面した難しい問題だ」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年1月9日