出生率の低下や学生数の減少、政府補助金の減少によって、日本の大学の事業経営が苦境に立たされている。ある専門家は、このままいくと日本の大学はかつてない「存亡の危機」に立たされることになるという。
▼半数の大学、受験者数が募集定員以下
現在、一部の大学では受験者数がすでに募集定員に満たない状況が続いている。全体で見ると1992年には、大学の募集人員が合計で47万人だったに対し、受験者数は92万人であった。ところが2014年は、募集人員が59万人に増えたの対し、受験者数は66万人に減少。大学と名のつくところならほぼ誰でも入れる状況である。2014年の大学生の数も285万人と、10年前に比べて4万人以上減っている。
ある統計によると、2013年に生まれて2031年に大学受験の年齢を迎える人たちの数は104万人で、2013年の大学受験者数に比べて15万人少ない。2020年の新生児はさらに83万人に減少するとの予測もある。
今後、大学間の学生の争奪戦が激しくなるのは必至で、質が高く評判がいい大学以外は生き残りが危ぶまれている。特に中小都市にある大学は厳しく、国土交通省によれば、人口が12万5000以下の都市からは大学が姿を消すと見られている。
▼私大・国立とも財政状態悪化
学生数の減少に伴う授業料収入の落ち込みと支出増加、政府補助金の圧縮によって、日本の多くの大学の財務状況が悪化している。読売新聞によると、日本の129の大学のうち58%が経営悪化に直面。私立大学では68%が経営不振に陥っていると見られ、どの大学も大なり小なりの赤字だという。