初の民間銀行となる深セン前海微衆銀行が18日にテスト営業をスタートした。同行は騰訊(テンセント)が中心となって設立したネット銀行で、銀行の株主と社員向けに口座を開設すると同時に、ターゲットとなる顧客を招待して同行が提供するサービスを体験してもらう予定だ。「京華時報」が伝えた。
▽ハイライト 初期は招待制を導入
同行のテスト営業では「ホワイトリスト」を採用し、顧客をふるいにかけ、選ばれた顧客を招待して同行の業務を体験してもらうスタイルを取り、サービスや商品のリスクコントロールとプロセスを整えて正式営業の基準に到達することを目指す。営業の拠点やカウンターを設けることはせず、顧客には担保も求めない。
騰訊によると、テスト営業期間に、同行は銀行の株主と社員向けに口座を開設すると同時に、ターゲット顧客を招待して同行のサービスを体験してもらう予定だ。また他行との連携を強化して、協力関係を構築することに力を注ぐという。
同行は「小口の預金と貸出」を業務の中心に据える。同行は業務のうち50万元(1元は約18.8円)以下のものを80%にしたいとしており、設立当初には数百元規模の与信サービスも提供して、顧客の間で徐々に信頼感を高め、今後の業務展開につなげたい考えだ。
▽貸出業務にビッグデータ利用
同行は営業の拠点やカウンターはなく、インターネットを通じて顧客にサービスを提供するもので、貸出のプロセスが従来のものに比べより簡素になる。今年国務院の李克強総理は1月4日に同行を視察し、同行のコンピューターのエンターキーを叩いて、同行初の貸出業務を完了させた。
翌5日には、中国人民銀行(中央銀行)が騰訊徴信有限公司など8社・機関に対し個人の信用情報業務の準備作業をしっかり行うよう求めた。騰訊のインターネットのビッグデータを利用した信用情報業務は、傘下の財付通が担当するという。
財付通によると、騰訊にはメッセンジャーアプリ「QQ」の利用者が8億人、「微信」(WeChat)の利用者が5億人以上、決済口座の利用者が3億人以上いる。信用情報業務では膨大なデータの検索・分析技術を通じて利用者が抱えるリスクと信用のレベルを予測し、個人の信用情報システムを構築することが可能だ。現在はP2P(複数端末間通信)、銀行、保険会社などが同業務に強い意欲を示し、騰訊の個人信用情報サービスへの接続を希望しているという。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年1月19日