中国人民銀行(中央銀行)が15日に発表したデータによると、2014年12月は広義マネーサプライ(M2)の増加率が12.2%に鈍化して、8カ月ぶりの低い記録を更新したとともに、市場の予測値12.5%を下回った。14年の増加率も通年の目標値13%を下回ることが予想される。新華網が伝えた。
▽データ:M2増加率は予測値以下
「2014年金融統計データ報告」によると、昨年12月末時点のM2残高は122兆8400億元(1元は約18.8円)で同12.2%増加した。増加率は年初に確定された目標値13%を0.8%下回った。
14年の両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)で発表された中央政府活動報告の中で、金融政策は引き締めと緩和を適度に維持して、社会全体の需給の基本的バランスを促進し、安定した通貨・金融環境を創出することがうち出された。またマクロ面での慎重な管理を強化し、通貨貸出と社会的な融資の規模が適切に増加するよう誘導することがうち出された。15年のM2増加率予想は13%前後とされた。
消息筋によると、15年の人民銀行通貨貸出・金融市場業務会議では、安定した金融政策を引き続き実施すること、流動性が合理的なゆとりを保つことが強調され、通貨貸出と社会的融資の安定的で適切な増加を誘導することがうち出された。
▽分析:外国為替資金残高の減少が筆頭要因
人民銀調査統計司の盛松成司長は15日の定例記者会見で14年の金融データを分析した際、「M2の増加率が低かった原因は主に3つあり、中でも外国為替資金残高の減少が筆頭要因だ」と述べた。