北京時間1月29日(水)未明、アリババ(阿里巴巴)の株価が4.36%下落し98.45ドルをつけ、時価総額が110億ドル蒸発した。同社が運営するB2Bサイト「タオバオ」と中国国家工商行政管理総局(以下、同局)のネット通販商品を巡る争いが、各界から注目されている。中国経済網が伝えた。
同局は1月28日に「アリババ・グループに対する行政指導活動の状況に関する白書」を発表し、アリババのネット通販サイトの店舗開設者に対する審査に不備があり、商品情報に対する検査が不十分で、販売行為の管理に乱れがあるといった5大問題を指摘した。タオバオは意外にもこれに強く反発した。
タオバオの公式微博(ウェイボー)は水曜日、同局が発表した2014年下半期ネット通販商品モニタリング結果について、「同局の劉紅亮司長が監督管理の過程において不当な操作を行い、感情に任せて法律を執行したことについて、同局に正式に訴える」と表明した。
◆馬雲会長、中国一の大富豪の地位に揺らぎが
この偽物商品に関する争いが発展し、馬雲会長の中国本土一の大富豪の地位にも揺らぎが生じている。
経済紙「21世紀経済報道」の統計データによると、アリババの株価は1月28日の取引開始から5分内で3%以上の下落となり、100ドル割れの99.07ドルまで値を下げた。時価総額は約2500億ドルに激減した。アリババの7.8%の株を保有する馬会長の資産総額も、約195億ドルに減少した。馬会長は昨年第3四半期末に、A株市場で映画配給会社・華誼兄弟の4.03%の株、財務ソフトウエア大手・恒生電子の20.44%の株を取得した。これらの株の時価総額は、1月28日の時点で計90億5500万元(1元は約18.83円)。
アリババ株を含めると、馬会長の保有する株の時価総額は1300億元弱に上る。
馬会長の資産総額が減少する一方で、大連万達集団の王健林会長が経営する2社の上場企業の株価が上昇を続けている。王氏が保有する映画館チェーン運営の万達院線、不動産業者の万達商業地産の株の時価総額は、1月28日の時点で1102億元に達し、馬会長が保有する株の時価総額まで200億元弱まで迫った。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年1月29日