米誌フォーブス(中国語版)は29日、2014年中国ベンチャーキャピタリスト・ランキングを発表した。ソフトバンク系列の中国投資会社、ソフトバンク・チャイナ・ベンチャーキャピタル(SBCVC)の業務執行社員・薛村禾氏が1位、今日資本(Capital Today)の徐新総裁(社長)が2位、これまで長年トップを維持してきた紅杉資本中国基金(Sequoia Capital China)の創始者兼業務執行社員の沈南鵬氏が3位となった。新京報が伝えた。
薛村禾氏は1999年、ソフトバンク株式会社代表取締役社長の孫正義氏と共に軟銀(ソフトバンク)中国を創立、翌年にSBCVCを設立した。SBCVC は2000年と2003年に、アリババ(阿里巴巴)とタオバオ(淘宝網)の設立を助け、計2300万ドルを投資した。
アリババは2014年9月19日にニューヨーク証券取引所に上場し、上場初日に株価が38.07%上昇、計250億3200万ドルの資金を調達し、米国史上最大のIPO記録を樹立した。アリババの馬雲会長はこれで、中国長者番付のトップに躍り出た。これに伴い、SBCVCの15年前の2300万ドルの投資は、今や1000倍以上の240億ドルに達し、まさに「神話」を作り上げた。これはベンチャーキャピタル史上最も成功した投資例であり、薛村禾氏は2014年中国ベンチャーキャピタリスト・ランキングのトップとなった。
薛氏はフォーブス誌の取材に応じ、「TMT分野(通信、メディア、テクノロジー業界)、材料科学、生命科学などの分野に新たな投資のチャンスが眠っている。中でも生命科学分野の可能性は今のアリババよりも大きい」と述べた。
このほか、中国電子商取引業界2位の京東商城が米ナスダック市場に上場したことで、これに投資した今日資本の徐新総裁が大きな収益を上げた。投資収益率(ROI)は150倍以上となり、上述のランキングで2位につけた。
注目すべきは、この1年あまり、「去哪児(旅行情報サイト)」、「聚美優品(化粧品通販サイト)」、「猟豹移動(ソフト・アプリ開発会社)」、「雲遊控股(ゲーム開発・運営会社)」などのインターネット企業の上場に伴い、多くの新しいベンチャーキャピタリストが台頭してきたことだ。雷軍氏(26位)、徐小平氏(35位)、童士豪氏(43位)などは同ランキングに初登場となった。
徐小平氏はフォーブス誌の取材に答え、「我々は常に最も優秀な起業家を探し続けている。心を動かすような物語と、納得できるロジックさえ示してくれれば、私は投資する」と指摘した一方で「ビジネスモデルの創業はますます難しくなる。将来は技術革新と突破が主流になる」との見方を示した。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年12月30日