淘宝(タオバオ)は4日、宅配便大手の円通と連携して、北京市の北京国貿大厦の周辺で無人機による赤砂糖生姜茶の配送サービスを試験的にスタートした。宅配便産業の人件費高騰や人手不足の頻出を受けて、新しい配送モデルの登場が待たれているためだ。別の宅配便大手・順豊も無人機配送業務を内部で検討中という。「北京商報」が伝えた。
4日午前10時頃、淘宝の無人機配送の最初の荷物が国貿大厦の円通の営業スポットから発送され、37分後に受取人の消費者のところに到着した。淘宝によると、すべての過程が順調で問題があったとは聞いていないが、バックグラウンドデータはまだまとめられていないので、これ以上明らかにする情報はないという。今回利用された無人機は円通のYTO-X65だが、これについても情報が明らかにされていない。
今回の無人機配送サービスは、淘宝と円通が手を結んでうち出した事業だ。配送時間は1時間以内と規定され、北京のほか上海市と広州市でも試行され、各都市で赤砂糖生姜茶50件をそれぞれ配送する。人件費の持続的な上昇、祝休日の人手不足、配送が着実に行われないことから、宅配便産業には疑問の声が寄せられていた。宅配便企業が無人機配送サービスの普及拡大に力を入れるのは、上記の難問を克服する最も効果的な方法であることは間違いない。だが業界関係者の中には、コストの高さや政策的なカベの存在により、現時点では無人機配送モデルの大規模な普及拡大は難しいとみる人もいる。
宅配便情報サイト・快逓物流諮詢網の徐勇首席顧問は、「無人機配送サービスが国内で大規模に普及拡大するのは時間の問題だ。技術的に十分に成熟していない点はあるが、政策レベルでの制限はない」と指摘する。
現在、中国では低空域に対する管制措置が取られており、2009年に関連部門が発表した「民間無人機の空中交通管理規定」にはビジネス上の応用についての言及はない。消息筋によれば、「無人機飛行管理規定」の制定作業が現在進められており、無人機のビジネス応用について明確な規定が設けられる可能性があるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年2月5日