中国の高速鉄道の海外進出第1弾が頓挫したことが、多くの政府部門の神経を逆なでしており、その重要な意味は言うまでもない。商務部(商務省)は5日、鉄道設備の輸出状況についての記者会見を開き、高速鉄道プロジェクトをキャンセルしたメキシコ政府は中国企業に発生した費用を賠償するべきとの見方を示した。また中国側の利益を保障するため、企業は法律に基づいて権利を保護するべきだとした。専門家によると、中国の高速鉄道の海外進出は朗報が続いているが、困難も少なくはないという。「北京商報」が伝えた。
▽企業は法律に基づく権利保護を
同部対外貿易司の支陸遜副司長は、「現在、中国の高速鉄道の海外進出プロジェクトのうち、完了したケースはトルコの高速鉄道インフラ建設プロジェクトしかなく、高速鉄道の軌道や車両などの交通設備の輸出、すなわち高速鉄道ユニットの輸出で実際に運営が始まったプロジェクトはまだない。これはつまり、メキシコの高速鉄道プロジェクトが成功すれば、中国高速鉄道の完成車輸出の第1弾になるということだ」と説明する。
同部対外投資・経済協力司の周振成・商務参賛(商務官)は、「中国は世界3位の対外投資国であり、メキシコ高速鉄道のような一連のケースがたまたま生じたが、まずは平常心で対応することだ。メキシコ国内のどのような原因でプロジェクトがストップしたにせよ、中国企業に発生した費用と中国企業の利益を、現地政府は着実で効果的な措置を取って保障しなければならない。海外では高速鉄道や鉄道などのプロジェクトは特に、所在国の政局の変化、経済政策、法律の調整の影響を非常に受けやすい。企業は評価を十分に行って慎重に方針を決定しなければならず、政府も一連のアドバイスや指導を行う必要がある」と述べた。今回のメキシコのキャンセルについてコメントを出したのは、外交部(外務省)、国家発展改革委員会に続いて商務部が3番目だ。
高速鉄道の海外進出が苦況に陥る中、商務部が5日に発表した鉄道設備の輸出業績リストは目覚ましいものだった。データをみると、2001年の世界貿易機関への加盟以降、中国の鉄道機関車・車両の輸出額は8千万ドル(1ドルは約117.3円)足らずから、14年は37億4千万ドルに増加し、年平均増加率は34.7%に達して、同期の対外貿易輸出増加率を16.5ポイント上回った。鉄道設備の輸出先は6大陸の80数カ国・地域に及び、昨年に中国企業が関わった海外鉄道建設プロジェクトは348件に上り、前年比113件増加した。契約額は累計247億ドルに上り、前年の4倍以上になった。中国鉄道の海外進出は初期段階の設備の供給から設計・指導、技術の牽引、施工・建設、運営・メンテナンスといった総合的な産業チェーンの輸出へと転換を遂げつつある。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年2月6日