福岡発祥の博多ラーメン店チェーン「一風堂」は、濃厚なスープと歯ごたえのある麺が人気だ。日本文化を海外に売り込む官民ファンド、海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)はこのほど、欧米や豪州での海外展開資金として「一風堂」への約7億円の出資と、最大13億円の融資枠を決めた。国際先駆導報が伝えた。
一杯のラーメンが、茶道やアニメと肩を並べ、日本がクールジャパンのイメージを海外で打ちたて、日本の国家ブランドの価値・ソフトパワーを高めるための戦略の一環に組み込まれた。
これは、「文化の発信を通じ、ありのままの日本を世界に送り出す」という日本政府の構想にも一致する。
▽官民が協力してクールジャパンを推進
クールジャパン戦略は、日本政府が推進する文化産業を中核にした国際戦略で、文化産業によって経済的利益や、ソフトパワーを通じた外交上の利益を得ることを目的としている。
2002年米国人ジャーナリストのダグラス・マクグレイ氏が外交専門誌 Foreign Policyに「Japan’s Gross National Cool」という論文を発表し、その中で日本のアニメ・漫画、ポップミュージック、ゲーム、家電製品、ファッション、グルメなどの流行分野における国際的な影響力を高く評価した。ここから派生したのがクールジャパンだ。2013年、日本政府の「日本再興戦略」にもクールジャパンが組み込まれた。