○国内腕時計の生産額、20%以上減少
シチズン精密(広州)は、元の社名を広州市偉合精密電子有限公司といい、シチズングループの中国における重要な生産拠点だ。過去にも、深センにある別のOEM工場で、今回と同じような閉鎖・解雇問題から、従業員による騒動が起こっている。
中国贅沢品協会の蔡蘇建・会長は、「毎日経済新聞」の取材に対し、「シチズンの管理体制は、国内市場のレベルに及ばないだろう。中国の産業構造に変化があった後、シチズンはより良い管理方法を見つけられないままだ」と指摘した。
広東省時計業協会の王芳・副事務総長は、「シチズン腕時計が中国時計業に入ってきたのは、かなり前のことだ。流行という面ではやや不十分だが、そのブランドは、中国人に深く浸透している。販売代理店を務めたいと望む業者が多いが、この問題が起こったから、もう諦めるしかないだろう」との見方を示した。
また、「専門性という点では、シチズン製腕時計はスイス製には及ばない。流行性では、シチズンはやや遅れ気味であり、知名度ではシャネルなど時計専門ではない高級ブランドの腕時計に及ばない。さらに、この2年ほど、国内腕時計業界は不景気が続いており、シチズンもかなり大きなダメージを受けている。国内の産業構造調整に対処し、人件費を削減するためには、東南アジア諸国に生産拠点を移す以外に方法はない」とコメントした。
上述した蔡会長はさらに、「2013年と2014年、国内の腕時計生産額と売上はいずれも20%以上落ち込んだ。落ち込みの大きな原因のひとつとして、政府が腐敗一掃運動を強化したことで、贈答品市場が大幅に縮小したことが挙げられる」と指摘した。
中国時計協会が発表した2014年1月から11月までの中国税関における腕時計輸出入統計データによると、同時期、中国製時計製品の輸出額は前年同時期約6.4%、輸入額は同約9.5%、それぞれ減少した。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年2月11日