日本の電子メーカーの一部が経営にかかる圧力や業界の先行きの見通しが暗いことなどを理由として、テレビ産業からの撤退を進めたり、撤退を検討したりしている。「経済参考報」が伝えた。
パナソニックはこのほど中国におけるテレビ製造事業を終了し、今後は他社ブランド製造(OEM)方式に切り替えて販売を行うことを決定した。今月3日に伝えられたところによると、東芝はテレビの製造終了をすでに決定しており、かつて「液晶テレビの父」などと呼ばれたシャープもテレビ事業の縮小を検討中だ。実際、ソニーが努力して現状を維持しているほかは、日本のテレビ大手はここ数年間、海外テレビ市場で日に日に勢いを失っている。
多くのアナリストが、「日本企業の撤退は中国テレビ産業にとって大きな好材料だ。2015年は中国テレビメーカーの海外進出・海外発展にとって重要な年になる」との見方を示す。
だが異なる見方をする業界関係者もいる。家電産業専門家の羅清啓は、「日本企業のテレビ産業からの撤退は、新エネルギー産業、医療設備、交通といった資金面と技術面のハードルの高いビジネス分野へのモデル転換にほかならない」との見方を示す。
パナソニックを例に取ると、ここ数年は中国市場での位置づけの切り替えに取り組み、中国に対する見方を「世界の工場」から「巨大な成長市場」へと改め、戦略モデルの転換をスタートさせた。パナソニックの津賀一宏代表取締役社長はさきに、「パナソニックは今後、家電から住宅、美容健康、航空、小売、自動車、公共などの分野へと徐々に手を広げ、中国のスマートシティプロジェクトに照準を合わせていく」と述べた。
よってテレビ事業の縮小を日本企業の勝敗を論じる根拠としてはならない。企業というものは適切な時期に製品構造を調整し、利益が薄く競争が激しい事業を切り離し、時流にあった新しい産業で資源を運用するものだ。競争上の強みを失った分野で日本が退場を選択することは、賢明な策だといえる。