春節(旧正月)の海外旅行で、日本は中国人客に人気の目的地となった。これに円安の影響が加わり、「買い占め」が日本旅行の重要な目的となった。中国人はなぜ日本での買い占めを好むのだろうか。記者の調べによると、これには高品質と低価格という二つの原因があった。環球時報が伝えた。
中国人観光客が最も好んで購入する日本の「四種の神器」は、ステンレスボトル、セラミック包丁、トイレの便座、炊飯器だ。日本製品の日本での販売価格は一般的に、中国国内の2分の1から3分の1となっている。タイガーの羊柄の子供用ステンレスボトルは、日本では人民元換算で約356元(1元は約19円)で販売されているが、中国通販サイト「淘宝網」では約2倍の680元で取引されている。人気の高い東芝製洗浄便座「SCS-T160 クリーンウォッシュ」の日本での販売価格は734元だが、中国国内であれば2769元の高価格になる。
同じ商品であるにも関わらず、なぜ中国の方が高額になるのだろうか?パナソニックの市場担当者は名前を明かさないという条件で取材に応じ、自社製品の価格はコストを基準ではなく、市場の競合他社を基準として設定されると述べた。この関係者は、「同じ商品でも、日本と中国には異なる価格設定基準がある。中国での価格は日本の価格を参考にせず、中国市場の同じハイエンド商品の価格を参考にする。中国人の消費の心理と能力からすれば、さらに高い価格を設定しても売れる可能性が高い」と話した。
日本製品の品質は本当に保証されているのだろうか?中日の製造業を長期的に観察している水清木華研究センターの周彦武氏は、「洗浄便座は一般的な生活用品であり、技術力と機能はほぼ同じだ。中国は全世界の8割の便器を生産しており、そのうちの多くが欧米諸国に輸出されている。日本の電機メーカーは中国に生産拠点を構えており、日本国内で販売されている多くの製品が中国で生産されている。例えば美的電器(中国家電メーカー大手)と東芝のエアコンは同じコンプレッサを使用している。これは両社の合弁会社で生産されているからで、両社の技術と品質は同等だ。人々は円安を理由に日本で買い占めを行っているが、他にも盲目的な心理や虚栄心といった理由がある。この2年半で、円の対人民元相場は約60%低下した」と指摘した。
また日本で購入した日用品を国内に持ち帰った場合、アフターサービスが問題になる。家電製品の場合は特にそうだ。炊飯器を生産するタイガーの従業員によると、日本国内で販売されている家電の電圧は100Vで、これらの製品に問題が生じた場合、中国ではメンテナンスの責任を負わないという。中国で販売されていない製品についても、タイガーは修理を行わない。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年2月26日