このほど、日本の腕時計メーカー・シチズンの中国子会社・西鉄城精密(広州)有限公司が突然閉鎖を発表し、同じく日本のパナソニックも中国にある2本のテレビ生産ラインからの撤退を明らかにし、米国のマイクロソフトはもともとノキアのものだった中国の携帯電話生産工場2カ所を段階的に閉鎖することを決定した……この間に、外資系企業の中国からの大規模撤退に関するさまざまな言説が飛び交い、これに米半導体大手クアルコムがこのほど国家発展改革委員会から約60億元(1元は約19.1円)の罰金を科されたことも加わり、外資系企業がこれから中国でどのような布陣を敷くかがあれこれと憶測されている。
▽外資系企業はサービス業に注目
データが最も良い例証となる。国連貿易開発会議(UNCTAD)がこのほど発表した「世界投資報告書」によると、中国が昨年導入した海外からの直接投資は約1280億ドル(1ドルは約118.9円)に上り、2013年に比べて約3%増加し、外資導入額が初めて世界一になった。昨年の世界の対外直接投資が同8%減少したことに気付けば、グローバル資本に対する中国市場の吸引力がどれほどのものであるかは容易に理解できる。
外資の利用構造をみると、サービス業が成長源となっていることは明らかだ。昨年の中国サービス業の実行ベース外資導入額は約663億ドルで同7.8%増加し、外資導入全体に占める割合は約56%に上昇した。伝統的な製造業は約400億ドルで同12.3%減少した。
UNCTAD投資・企業部門の詹暁寧代表は取材に答える中で、「中国に流入する資金には構造的な変化がみられ、製造業からサービス産業へ、労働集約型から技術集約型へと移り変わっている」と話す。
また昨年新たに設立された外資系企業の数も増加傾向にあり、登録資本金の登記制度改革に後押しされて、14年の外資系企業新規設立数は2万3800社となり、同4.4%増加した。中国(上海)自由貿易試験区は海外からの投資に対して参入前内国民待遇の付与とネガティブリストに基づく管理モデルを模索するなどして、外資導入の水準を引き上げた。現在、外資系企業の経営状態は安定しており、利潤と納税額は全国の平均水準を上回る。