韓国の朴槿恵大統領は先日、抗日独立運動記念の「三一節」式典で、歴史的事実を勇気をもって率直に認めるよう日本に促した。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
今年は日韓国交正常化50周年。朴大統領は「日本が韓国とパートナーとして手を携えて前進し、今後50年の新たな歴史を刻むことを希望する」と述べた。安倍晋三氏が3週間前の施政方針演説で、日中関係、日韓関係改善の意向を表明したことを想起せずにはいられない。中国の駐日大使も少し前の日中友好新年会で「中日関係は安定改善を実現できるか否かの正念場にある」と表明した。
共通の意向の下、中日関係、日韓関係は発展の新たなチャンスを迎えている。だが不幸なことに、歴史問題が依然として日本と2大隣国との関係改善における克服しがたい障害となっている。
最大の問題は、安倍氏が歴史修正主義を堅持していることにある。いわゆる「侵略定義未定論」などの言動に代表されるように、安倍氏は日本の軍国主義の歴史を拭い去ろうと尽力し続けている。近く発表する第2次大戦終結70年談話についてさえも、「侵略」「植民地支配」といった戦後50年談話、戦後60年談話のキーワードの継承を望まない姿勢を明確にしている。慰安婦問題について日本政府はあれこれと詭弁を弄して、「強制連行」という事実を隠蔽し、さらには歴史の定論を覆そうとしている。安倍氏はさらに概念をすり替え、「侵略の歴史」に取って代わるものとして「戦後の歴史」を打ち出し、戦後日本の国際社会への貢献を強調し、「未来志向」によって問題の主要な焦点をずらそうと試みている。
問題をさらに複雑にしているのは、米国が日本の肩を持ち、放任していることだ。最近も米国のシャーマン国務次官はカーネギー国際平和財団で講演した際、米国との連携において日本が発揮している役割を高く評価し、「国際法を支持し」「外国の発展に大きな貢献をしている」と日本を公然と称賛しただけでなく、日本と中韓両国との歴史問題における「溝」に魂胆をもって言及し、問題の最大の原因は中韓の「民族主義的感情」にあると結論づけた。シャーマン氏は「民族主義的感情が利用され、過去の敵を貶めることで安っぽい喝采を容易に浴びることができる」とさえ主張したうえ、中韓は歴史責任の追及によって「自らの歴史の中に閉じ込められている」と暗に指摘した。