今年は世界反ファシズム戦争勝利70周年であり、中国人民抗日戦争勝利70周年でもある。中国は軍事パレードを含む一連の盛大な記念行事を行う。中国政府がこのことを発表した際、国際世論が最も注目したのは軍事パレードだった。これには少なくとも3つの要因がある。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
第1に、中国政府は長年にわたり5周年、10周年のたびに記念行事を行い、5周年または10周年の建国記念日に盛大な軍事パレードを実施してきたが、抗日戦争勝利記念日に軍事パレードを実施し、かつ外国の指導者を招待するのは前代未聞の事だ。
第2に、過去数年間の歴史問題や釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題における日本の誤った言動によって中日関係が冷え込み、日本の軍事・安全保障分野の政策動向が懸念される中、中国がこの時期に軍事パレードを実施することに日本に対する「警告」や「威嚇」の意味があるのか否かについて国際世論が推測することは避けがたい。
第3に、中国の30年余りの高度経済成長は国防力の大幅な強化をもたらし、ここ数年はハイテク兵器も配備し続けていることから、一部国際世論は中国が抗日戦争勝利記念日軍事パレードを利用して世界に力を誇示し、自信を顕示するだろうと考えている。
確かに、戦後の日本軍国主義に対する清算は徹底的でなく、日本右翼政治勢力はしばしば波風を起こし、侵略の否認と美化の面であの手この手を弄し、歴史に対する最低限の尊重と畏敬の念も欠き、日本を平和的発展の道から脱線させようと試み、周辺国に新たな面倒をもたらしている。こうした中、日本軍国主義思想の台頭に対して警戒を維持するのは必要なことだ。だが、中国の抗日戦争勝利記念日軍事パレードを「日本を念頭に置いたもの」「日本を威嚇するもの」と単純に解釈するのは、中国側の本旨と合致しないだろう。また、平和な時期の記念日に実施する軍事パレードは、往々にして政治的意義が軍事的意義を大きく上回る。中国は今回の軍事パレードで自ずと威武の軍としてのイメージを示し、軍事力を示すことになるが、これについて行き過ぎた解釈をするのは無益だ。