米国で2月13日に公開され大ヒットしている「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」は、イギリスの女性作家E・L・ジェイムズによるオンライン官能小説を原作としている。現在、同小説は50の言語に翻訳され出版されている。中国でも、人気オンライン小説「何以笙簫默(Silent Separation)」を原作としたドラマが最近、大ヒットとなった。報道によると、中国のオンライン小説は海外でも人気となりつつある。うち、ベトナムには中国のオンライン作品を専門に翻訳する翻訳家がおり、クリック回数が1千回以上、さらには1万回以上に達する作品も少なくない。実際には、中国のオンライン小説の読者数やアクティブ度、個性的特徴などは、他の言語のそれを大きく上回っている。環球時報が報じた。
1999年、台湾の若手作家・痞子蔡(ペンネーム)のオンライン小説「第一次親密接触(Flyin' Dance)」の書籍版が出版。オンライン文学が中国で注目されるきっかけとなった。それから16年、中国のオンライン文学は現在、重要な位置を占めるようになっており、作品の人気は書籍に引けを取らず、魅力ある読書形態となっている。インターネットのオンライン文学専門サイトには相当数の作品が収められており、安定した読者数を抱えているサイトも多い。また、専門のサイト以外の大手サイトでも文学作品が発表され、人気となるようになっている。
オンライン読書を楽しんでいるのは主に若者で、同グループの好みがオンライン文学が歩む方向を左右している。そのため、オンライン文学というと、「80後(80年代生まれの若者)」、「90後(90年代生まれの若者)」という烙印が押されるのも自然なことだ。同世代の若者は歴史の重荷を背負っておらず、自分の想像力や敏感な気持ちを表現することを重視している。オンラインで人気になっている文学の1つは、ファンタジーやタイムトラベルなど、高い想象力が求められる作品だ。この種の作品は、自由な想像やミステリアスなストーリーが主となっている。その他、若者の日常生活における経験や就職したばかりの若いホワイトカラーの生活をテーマにした作品も人気だ。そのような作品では、若者が成長していく過程でぶつかる壁などが表現されている。
世界的に見ると、中国語のオンライン小説は読者数やアクティブ度、影響力、鮮明な特色などの面で、他のどの言語をも圧倒している。また、オンライン作品を原作とした映画やドラマも多数登場し、大ヒットとなっている作品も多い。もちろん、オンライン文学の中には、クオリティの高い作品もあれば、低い作品もあり、氾濫している感も否めない。しかし、社会や伝統文学界は、ここ十数年の中国のオンライン文学の発展を重視し、今後の発展に注目し続けるべきだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年3月6日