米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の中国語版がこのほど伝えたところによると、米アップル社のモバイル決済サービス「アップルペイ」には、登場して間もないにも関わらず詐欺行為が多発しているという。詐欺行為の問題を明らかにした決済サービスの専門家チェリアン・アブラハム氏は、「詐欺行為がアップルペイの取引量全体に占める割合は約6%」と指摘する。中国新聞網が伝えた。
同紙が紹介する事情を知る関係者の話によると、一部の銀行ではアップルのモバイル決済サービスで詐欺行為が増加中であることが確認されており、犯罪者がクレジットカードに付随する認証手続きの甘さを利用している。銀行は認証手続きを強化して、詐欺行為を防ごうとしているという。この事情を知る関係者はアップルと守秘義務の取り決めをしているとして名前を明かしていない。
アブラハム氏は2月末にブログでこの問題を明らかにし、「詐欺問題は雑草のように広がり、銀行には判別が難しい。これに比べ、クレジットカードを利用した取引における詐欺行為の割合は約0.1%で、カードごとに詐欺行為の割合は異なる」と述べた。
アップルのスポークスマンは詐欺行為の割合についてコメントしていないが、「アップルペイの設計はセキュリティのレベルが非常に高く、利用者の個人情報保護に務めている。銀行はこれまでずっと認証手続きを評価し、改善に努めており、銀行ごとにやり方はさまざまだ」と述べた。
アップルペイはアップルが2014年の秋の新製品発表会で発表したNFC(近距離無線通信)技術に基づくモバイル決済機能で、同年10月20日に運用がスタートした。端末をカードリーダーに軽く当てるだけで、決済手続きはすべて終了するという簡便なものだ。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は当時、「アップルペイに蓄積された決済情報はすべて暗号化されている」と説明した。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年3月5日