世界で最も住みやすい場所はどこだろうか。都市の住みやすさについて語る時、一連のハード面の環境、たとえば交通網、物価、家賃などに関心が集まることが多い。だが都市のソフトパワーに焦点を当てた場合、結果はどうなるだろうか。日本の一般財団法人・森記念財団の都市戦略研究所がこのほど世界21都市を調査したところ、住みやすさナンバー1は日本の東京だった。環球網が伝えた。
日本の提言型ニュースサイト・BLOGOS(ブロゴス)が4日に伝えたところによると、同研究所は2008年から世界の主要都市を対象に、経済、環境、研究開発などさまざまな分野について評価を行い、都市の総合力を比較して、「世界の都市総合力ランキング」を発表してきた。
同財団の市川宏雄理事(明治大学専門職大学院長)は、「今回の調査では都市のソフトパワーを評価した。これには都市の快適さ、安全性、ホスピタリティ、都市住民の感性がもつ価値などが含まれる。これを『都市の感性価値』と呼ぶ。いわゆる『都市の感性価値』は人々が求める『非物質的な価値』であり、人々が都市生活で得られる快適で安全な暮らしの根本となるものだ」と話す。
今回のランキング作成にあたっては、「効率」、「正確さ・迅速さ」、「安全性・安心感」、「多様性」、「ホスピタリティ」、「新陳代謝」の6項目が加わり、指標は合計32になった。調査対象は世界21都市で暮らす人や働く人で、かつ海外の3カ国以上を訪れた経験のある人々だ。
ランキング1位は東京、2位はオーストリアのウィーン、3位はシンガポール、4位はカナダのトロント、5位は米国のニューヨークだった。東京がなぜ首位に立ったのだろうか。調査によると、東京は効率とホスピタリティで高い評価を得て、ほかの指標でも軒並み平均水準を上回った。2位のウィーンは経済規模や人口は東京にかなわないが、安全性と正確さ・迅速さで高く評価された。
今回の調査で東京はホスピタリティのうち、「住民の意欲」、「道路の清潔さ」、「サービス水準」などでも首位に立った。だが日本を訪れる外国人観光客が急増する今、東京にはまだ改善するところがある。これまで東京の鉄道駅で情報センターがあるところはほとんどなかったが、最近増えてきたWiFiサービスが利便性をもたらしている。今後は旅行者向けに必要な情報や観光情報を提供するサービスを開発していくことになる。
また多様性と新陳代謝という点で、東京は他の都市に負けている。そこでさまざまな人々がともに暮らす都市の実情に見合った環境を構築し、企業家の発展や起業にふさわしい社会構造を構築することがぜひとも必要になる。
BLOGOSによると、東京五輪までまだ5年あり、日本人は明確な目標を与えられると、大きな突破力を発揮する。日本人は今回の調査結果での東京の順位に甘んじることなく、足りないところを少しずつ改善して、東京の力を高めていくだろうという。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年3月6日