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AIIBは人民元の国際化をどのように後押しするか

人民網日本語版 2015年03月25日08:14

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創立加盟国の申請期限が近づくにつれ、AIIBの「輪」がますます広がっている。英国、フランス、ドイツ、イタリアといった米国の主要同盟国が参加を表明したのに続き、韓国とオーストラリアも近く参加を決定する可能性が高い。AIIBに最も「強硬」に反対する米国と日本の立場にも揺らぎがみえ始めている。「新京報」が伝えた。

AIIBは中国の対外貿易、建設、投資が一定の発展を遂げた後に、設立が必要となる国際的機関であり、人民元の国際化、中国経済のグローバル化を方向性とした発展にとって、その設立は遅すぎることはあっても早すぎるということはない。

中国の外貨準備残高は4兆ドル(1ドルは約119.6円)を突破したが、中国は長らく外貨準備の大半を米国債への投資に充て、米国はこうした投資を利用して国内のインフラ建設などに投資してきた。この循環が破れれば、中国は巨額の外貨準備を有効に利用できなくなるだけでなく、米国の債務システムに「拘束」され、金融市場でますます受け身の立場に立たされることになる。米国財務省が発表した「国際資本統計」(TIC)によると、今年1月に中国は米国債52億ドルを売却し、5カ月連続の売却となった。中国には資金があるが、インフラに対する高いレベルのニーズという段階に直面してもいる。外貨準備の一部をアジアのインフラ建設に投入することが、よい選択であることは間違いないという。

人民元は海外進出すべきであり、中国経済そのものの世界における影響力が必要なだけでなく、人民元の世界的な運営にサービスを提供できる金融機関がよりたくさん必要になる。こうした金融機関はどのような背景で設立されるにせよ、人民元の国際化にとって必ず戦略的な意義をもつ。AIIBは今は主に米ドル建てで資金を募集しているが、長期的には中国が主要出資国として、人民元の国際化がある程度のレベルに達した時に、人民元を投資通貨として選択することが可能だ。

アジアのインフラ建設分野の多くでは、投資する人が誰であれ、中国企業が関与する可能性が非常に大きい。業界専門誌「中国工作機械」が発表した「2013年のグローバル工作機械メーカー50社番付」では、中国企業が11社を占める。中国が港湾、空港、鉄道、エネルギー、電気通信などのインフラの建設・運営の分野で示してきたコストなどの競争力は高く、関連国に人民元のストックやキャッシュフローがあれば、中国の企業を直接雇用してインフラの建設・管理・運営を担当させることができ、そうなれば人民元の需要が高まるだけでなく、人民元の価値も増大する。人民元が国際化すれば「貿易決済通貨」から「外貨準備ニーズに応える通貨」への移行という次のステップに進むことが可能になる。

総合的にみて、AIIBはグローバル経済全体の論理構造における中国のポイントの一つに過ぎない。中国にはグローバルな貿易取引が必要であり、1ベルト・1ロード(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)の迅速さ、安定、繁栄が必要だ。このため中国は関連国のインフラ建設への投資を拡大する必要があり、こうしたインフラ建設は中国に輸出をもたらし、関連の金融機関に対する需要を喚起し、関連の金融機関の設立は将来の人民元によるグローバル決済、資金調達、備蓄、貿易に完成したシステムとプラットフォームを提供することになった。AIIBの設立は米国主導の国際通貨基金(IMF)や世界銀行などの機関の改革を促し、とりわけIMFの出資比率の改革が行われる中、人民元の占めるシェアは拡大されるべきであり、別の側面から国際通貨システムにおける人民元の影響力を高めるべきだ。

だが強調しなければならないのは、通貨、貿易、経済などは、それぞれに孤立しているわけではないということだ。AIIBの「因果応報」や各方面が展開するゲームの中から、中国が影響力と主導権を獲得したいと考える最も基本的な前提は、中国の資本、中国の製造・輸送能力、中国の技術がより向上するかどうかということ、引き続き多くの国に認められたいということにある。こうした過程が非常に長いものになることは確実だ。(編集KS)

「人民網日本語版」2015年3月25日

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