復旦大学高分子科学部の彭慧勝教授が率いるチームはこのほど、新型繊維状ポリマー発光電気化学セル(以下、同材料)を開発した。同材料は、「スマート衣料品」の製造に用いられる。科技日報が伝えた。
同材料は、フレキシブルディスプレイや照明に使用される有機発光ダイオード(OLED)に類似する。しかし同材料はOLEDと比べ、加工過程がシンプルで、空気中において非常に不安定な低仕事関数の電極材料を必要としないなど、独特の強みを持つ。これらのメリットから、同材料は携帯型デバイス・ウェアラブルデバイスの使用により適していると言える。
同チームは直径数百ミクロンのステンレス鋼線材の表面に、酸化亜鉛ナノ粒子と発光ポリマー層を連続的に噴きかけ、外側に均等的にカーボンナノチューブフィルム電極を巡らすことで、同材料が得られることを明らかにした。また、発光ポリマー層の成分を変えることで、繊維に異なる色を持たせることができる。博士課程在学中で主要研究員の張智涛氏は、「異なる色に発光し、より高い性能を持つ繊維が近い将来に開発される」と述べた。
スペイン・バレンシア大学で電子を研究する学者は同研究に関する論文を発表し、この発光繊維について、「衣料品に適した発光繊維の製造の重大な進歩だ」と評価した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年3月30日