アジアインフラ投資銀行(AIIB)は、エジプトが参加したことにより、その版図をアジア、欧州、アメリカ、オセアニア、アフリカの5大陸に広げた。今月31日には創設メンバーとしての参加申請の締め切り日を迎える。中国新聞網が伝えた。
英国、フランス、ドイツ、イタリアなど西側の大国が相次いで参加を申請する中、米国の態度が連日にわたって注目を集めている。AIIBの創設メンバーとしての参加申請の締め切りを前日に控えた30日、米国財務省のジェイコブ・ルー長官はオバマ大統領の特別代表として中国を訪問した。
同日午後、国務院の李克強総理はルー長官と会談。ルー長官は、「中国がアジアのインフラ建設の分野でより大きな役割を発揮することを歓迎する。二国間や多国間の分野で関連の協力を強化していきたい」と述べた。
ルー長官はAIIBには直接言及しなかったものの、外部では今回の訪中の主要議題はAIIBであるとの見方がもっぱらだ。米国がまもなく発表される創設メンバーのリストに加わるかどうかに刻一刻と注目が高まっている。
中国社会科学院世界政治・経済研究所の張宇燕研究員は、「AIIB創設メンバーとしての参加申請が激増するのにともない、とりわけ一連の『盟友』の参加にともない、米国は孤立感に襲われている。ジェイコブ・ルー長官の今回の訪中は、まずは態度表明であり、少なくとも各国の参加に反対してはいないことを示すものだ。またAIIBの設立の原則をさらに詳しく知りたいと考えている可能性もある。とりわけガバナンスの構造などについてだ」と分析する。
また張研究員は、「私たちが米国の一連のシンクタンクや専門家と接触した感じでは、米国はAIIBに対して懐疑的だ。中国も今回の機会を利用して、AIIBと「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)がどのような関係にあるのか、既存の世界の金融機関とどのような関係にあるのかをさらに詳しく説明していく」と話す。