中国の月面ローバー「玉兎号」が取得したデータの分析により、月のレゴリス(地表面 における土壌)の厚さはこれまでの推算を大幅に上回っていたことが分かった。また、月では約25億年前まで大規模な火山の噴火があった可能性がある。これらの成果は月の歴史への認識を深める上で、重要な意義を持つ。新華社が伝えた。
この研究成果は13日、米国科学アカデミー紀要(PNAS)の表紙を飾った。中国の月探査機「嫦娥3号」の着陸機は2013年12月、玉兎号を搭載しながら月の「雨の海」の北部に着陸した。玉兎号は月探査レーダーを使ってレゴリスとその下の岩層の構造を調べた。人類が月探査で、月探査レーダーを使用したのはこれが初めてだ。
研究を担当した中国科学院地質・地球物理研究所研究員の林楊挺氏は、「月探査レーダーのデータの分析結果により、レゴリスの厚さが大きく修正された。これまで推算されていた厚さは薄く、一般的には2−4メートルとされていた。玉兎号が着陸したエリアは比較的新しく形成された場所で、レゴリスの厚さはより薄いはずだが、実測値は5メートルに達した。これは、これまでの研究で厚さを低く見積もっていたことを裏付けた」と説明した。
研究者はさらに、レゴリスの下に位置する3層の玄武岩を調べた。そのうち最上層の厚さは195メートル。この玄武岩は約25億年前のもので、非常に新しい。林氏は、「これは少なくとも25億年前まで、月で大規模な火山の噴火活動があったことを意味する。これまでは30億年前にマグマの活動が停止していたとされていた」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年4月15日