レアアース輸出政策に再び変化が現れた。財政部(財務省)はこのほど公式サイトを通じ、国務院の認可を受けて来月1日から鋼鉄の粒子粉末、レアアース、タングステン、モリブデンなどの製品の輸出関税を撤廃することと、アルミ加工材などの製品の輸出関税をゼロにすることを明らかにした。外部では、輸出関税の撤廃はレアアース資源をめぐる税制度改革措置がまもなくうち出されることを意味するとの見方が広がる。「京華時報」が伝えた。
今回の輸出関税の撤廃前には、商務部(商務省)が年初にレアアースの輸出割当管理を撤廃している。当時の商務部の説明によると、この措置はレアアースなどの資源類製品の管理制度改革に合わせた措置の一つであると同時に、世界貿易機関(WTO)の関連決議の実行を総合的に考慮して進める政策的調整でもある。2014年8月、WTOは中国のレアアース輸出関税と輸出割当措置は関連するWTOルールや中国がWTOに加盟した時の約束事項に合致していないとの最終決議を下した。
これまで中国は輸出レアアース製品に15~20%の関税を課し、軽レアアース製品の関税率は15%、重レアアース製品は25%で、輸出割当を与えられた企業しか輸出が認められなかった。
市場調査会社・百川資訊の杜帥兵アナリストは、「輸出割当と輸出関税の撤廃はレアアースの輸出の伸びを促進するのにプラスであり、関税撤廃後は輸出価格が低下することになり、国際市場のレアアース価格を全体として引き下げることになる。海外のレアアース生産企業はコストが高いため、中国の動きが各社の売り上げを押さえ込むことになる。だが長期的にみれば、関税撤廃は業界のニーズを力強く支えるものとなり、国内の供給過剰圧力をある程度緩和することになる」と指摘する。
この情報が伝えられた日の株式市場ではレアアース銘柄の多くが値上がりして、終盤までに北方希土と中国鋁業公司がストップ高となり、広晟有色は前日比7.79%値上がり、五鉱希土は同3.1%値上がりした。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年4月24日