首相官邸の屋上に小型の無人機「ドローン」が落ちているのが見つかった事件で、警視庁は25日、前日夜に出頭した男を逮捕した。中国新聞社が伝えた。
逮捕されたのは、福井県小浜市の無職、山本泰雄容疑者(40)。事件の動機について、山本容疑者は「反原発を訴えるために官邸にドローンを飛ばした」と話している。また、ドローンからは放射性物質のセシウムが検出されたが、山本容疑者は「福島の砂を容器に入れた」と話しているという。
警察当局は山本容疑者の供述および、出頭の際に携帯していたドローンのコントローラーや砂、および山本容疑者が書いたブログの内容などから、事件に関わった疑いが強まったとして、官邸に対する威力業務妨害の疑いで逮捕した。警視庁は山本容疑者を車で東京に移し、事件の詳しいいきさつや動機を調べる方針。
同事件は連日、大々的に報じられた。さらに22日には東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が、撮影用のドローンを誤ってイギリス大使館の敷地内に落下させる事件が発生。相次ぐ「ドローン事件」により、日本国内では「空の安全性」に対する危機感が高まった。
日本政府は24日、ドローンに関する規制のあり方などを検討する対策会議の初会合を開き、重要施設上空の飛行制限に向けた航空法改正などの検討に着手した。自民党の治安・テロ対策調査会も同日会議を行い、「官邸が無防備であることを国内外に発信してしまった」「法規制を待たずに、官邸の屋上の警備を常時行うべき」といった見解を示した。中谷元防衛相は全国の自衛隊駐屯地に注意喚起し、警戒を指示したことを明らかにした。
国土交通省によると、今後の検討課題として、飛行制限や登録制のほか、飛行距離が長い高性能ドローンの操縦者に対する免許制度の導入、機体の整備・点検のルール化、事故に備えた保険加入の義務付け―などが想定されている。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年4月26日