米国と日本はこのほど外務・防衛担当閣僚による「2プラス2」協議を開き、日米防衛協力指針を正式に改定した。2013年10月に両国が指針の再改定を決定して以来、このプロセスは大いに注視されてきた。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
米日は指針改定のために気勢をあげ、「変化する世界」に適応させるものだと言い立てた。両国の考える世界の重要な変化の1つは、米日の能力が多少高まったことだ。双方は特に、指針は日本の役割の高まりを体現すると強調した。米日の目に映るもう1つの重要な変化は安全保障上の新たな脅威の出現だ。両国は新たな脅威に対処するため、協力の範囲を日本「周辺」から「グローバル」にまで拡大しただけでなく、協力分野も伝統的分野から新たな分野、現実空間からバーチャル空間へと拡大した。宇宙空間とサイバー分野の軍事協力を盛り込んだことは新たな指針の特徴だ。
改定後の防衛協力指針は確かに一段と緊密な米日同盟を描き出し、両国の利益上の懸念を反映している。だが、今日の世界の真の姿を客観的に示すことはできておらず、ましてや新たな歴史的条件の下ではどのような国際関係が必要なのかという重要な問題には答えられない。
伝統的な国際関係においては、同盟と対立が常態だったが、この古いモデルは新たな歴史的条件に適応していない。今日の世界は、新型の国際関係を構築する必要がある。
「新型」には以下の内容が含まれる。
(1)平等の追求。同盟関係は往々にして1つの国を中心に構築され、その指導の下で運用されており、内部平等の実現は困難だ。同盟は対外的には実力と強権を頼みに行動を繰り広げる。同盟はいわゆる一致した価値観に基づき築かれ、「進んでいる」と自らが考える価値観と社会制度を無理に広めることに慣れている。このため同盟は世界の多極化という趨勢に反し、世界の多様性という事実にも反する。新型の国際関係は、各国が互いの主権、独立、領土の一体性を尊重し合い、各自の選択した発展路線と価値観を尊重し合うことを求める。新型の国際関係の堅持する平等性は国家間の付き合いの道だ。