このほど、Apple Watch Sportの製造コストがわずか83.7ドル(約1万円)とする試算結果が発表されたが、Apple社のティム・クックCEOはこれについて「このような計算方法は正確ではない」としている。香港・南華早報の報道を引用して参考消息網が伝えた。
調査会社IHSテクノロジーが、Apple Watchの安価モデルである「Apple Watch Sport(38mm)」を分解してコストを計算した結果、部品コストは81.2ドル(約9720円)だった。うち、有機ELディスプレイとIon-Xガラスを採用したディスプレイタッチスクリーンのコストが最も高く、20.5ドル(約2450円)。S1プロセッサが約10.2ドル(約860円)だった。IHSテクノロジーはこれに加工費用の2.5ドルを加算して、1台あたりの製造コストを83.7ドルと試算している。
IHSテクノロジーはさらに、「Apple Watch Sport(38mm)の販売価格は349ドル(約4万2800円)なので、原価率はわずか24%」と指摘。これまでに同社が分解したApple社のその他の製品の原価率は29~38%だったことから、Apple WatchはApple社の製品の中で最も「利益率」が高い製品ということになる。
これに対しApple社は、「少なくとも販売開始からの数ヶ月間において、Apple Watchの利益率は当社製品の平均を下回っている」としている。
IHSの上級アナリストであるケヴィン・ケラー氏は「第1世代製品の販売価格がハードウェアコストよりもかなり高くなるのはよくあること。販売価格は時間が経つと共に値下げされるが、Apple Watchの原価率はiPhone 6 Plusやその他の製品を下回る。Apple Watchに寄せられている関心に見合うだけの販売実績が上げられれば、同社の収益に大きく貢献する可能性がある」と語る。
ティム・クックCEOはかつて、「Appleの製品を分解してコストを試算するのは正しいやり方ではない。部品コストのみに注目し、研究開発、マーケティング、ソフトウェア開発、流通にかかる莫大な費用が考慮されていないためだ」と指摘している。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年5月6日