今月初め、『日本の歴史学者を支持する公開書簡』がまず米国の学界に広まり、続いて世界の学界の強い共感を呼んだ。公開書簡は戦時中の「慰安婦」強制連行など歴史上の事実を直視するよう安倍政権に呼びかけるとともに、日本政府の圧力を恐れず、勇敢に歴史の事実を探究する日本の歴史学者に声援を送った。新華網が伝えた。
この公開書簡は一体どのような経緯で発表され、なぜ世界の学界の幅広い反響を呼んだのか。新華社は公開書簡に署名した米コネティカット大学のアレクシス・ダデン教授、コーネル大学のマーク・セルデン上級研究員に話を聞いた。
■異常な政治的雰囲気
ダデン氏は「今年3月末にシカゴで開催されたアジア問題研究協会の年次総会で、日本研究者は交流の中で、過去1年間に日本に『相当異常』な雰囲気が生じ、日本の現代史の特定の部分についての公開討論、論争が制限されているのを感じた。このため参加者は公開書簡の形で懸念を表明することを決めた」と説明。
ダデン氏はジョージタウン大学のジョルダン・サンド教授と共に公開書簡起草の調整を担当したが、実際には多くの学者が起草に参加した。書簡は学者の同意を得て、5月初めに発表された。署名は当初の187人から460人にまで増えた。
最初の署名者の1人であるセルデン氏は署名した理由について「安倍首相就任後、日本の政治的雰囲気には多くの変化が起きた。公開書簡はこれへの対応を意図しており、各界の注目を集めた」と説明。「植民地支配と侵略の残虐行為を省察する日本の最も重要な文書である村山談話や河野談話などは現在、各方面の批判にさらされており、安倍政権といくつかの主流メディアがこれに役割を発揮していることは明らかだ。こうした政治的雰囲気の下、日本の歴史学者は苦しい立場に置かれている」と指摘した。