どの国であれ、国際問題において公平妥当でない立場を取れば、国際関係の調停能力を損ない、さらには衝突を引き起こす恐れがある。米国も例外ではない。南中国海問題において、中国が武力解決の立場を取ったことはない。反対に中国はASEAN各国と行動宣言で合意し、争いの平和的解決に共に尽力している。南沙諸島の一部の駐屯島・礁における中国の建設活動は、国際法の範囲内の主権行為であり、法規に沿っている。中国が島や礁の拡張を通じて南中国海の海事の安全と秩序のために提供する公共財は、近い将来、各国が分かち合えるようになる。南中国海は広大であり、中国による島や礁の拡張が航行と飛行の自由を妨げることはない。米国の入念な接近挑発こそ、国際法における自由航行の原則の過度の乱用だ。
中国の持続的発展には、米国の協力と貢献がある。だが米国は中国の急速な発展が自らの地位に与えうるインパクトに対して快く思ってはいない。焦燥感を抱き、無鉄砲な行動に出ており、かつての落ち着きある超大国ではもうないかのようだ。中国の発展に対して米国が疑念や懸念を抱くこと自体は異常でない。まさに信頼強化と疑念解消のために、中米は90余りの政府対話枠組みを設けている。だが米国はボスとして他国をあごで使う事に慣れてしまい、急速に変化する世界にはもうさほど追いついていけない。
南中国海問題においては、やはり2つの大局を考慮するよう米国に注意を促す必要がある。1つは平和安定の大局、もう1つは中米関係の大局だ。米国の安全と発展はアジア太平洋と世界の平和・安定のおかげであり、南中国海情勢の動揺は米国の国益維持にとって根本的に有害だ。冷静な米国であれば、南中国海の安寧に影響を与えているものが、まさに自国の偏りであることを明確に認識する必要がある。中国は国際問題において長い間控え目にしてきているが、国家の正当な権益の維持において尻込みすることはあり得ない。南中国海の主権に関する中国の譲れぬ一線に挑戦し、中米関係の大局を破壊するのなら、長期的に見て米国の方が損害を被る可能性が高い。米国はもう少し深く、長期的に問題を見るべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年6月2日