榊原教授は、日本経済新聞の取材に対して、「日本の今年の経済成長は1.5%ほどに回復する可能性がある。そして、円のさらなる下落の余地はなくなり、1ドル130円まで下落することはないだろう」と語っている。
そして、「1ドル125円ほどを保つのが、日本経済にとってはプラスの効果がある。一方、130円まで下落すると、日本経済にとっては打撃となり、米国も円安に注目するようになるだろう」としている。
その他、日本銀行の動向に関して、「昨年、緩和を進めたのは、日本経済のが非常に低迷し、経済成長がほぼ0だったから。しかし、現在の日本の経済は、回復の兆しが見えており、日本銀行が今年さらなる緩和を進めることはないだろう」との見方を示している。
顕著になる副作用
円安が日本経済にもたらすメリットには限りが見えている。みずほ総合研究所の試算によると国内総生産(GDP)の押し上げ効果は、122円から130円まで円安が進んだ場合で0.21%にとどまる。
日本経済新聞(中国語版)の報道によると、円安は輸出企業の採算を改善させるが、燃料など輸入品の価格上昇を通じて家計や企業の負担を増やす面もある。海外への生産移転が進み、貿易から投資で稼ぐ産業構造に変わった今の日本では、円安は以前ほどには経済の起爆剤になりにくい。
また、円高となっていた期間、日本の企業は生産を海外に移していたため、日本の経済構造も変化した。