親指と人差し指で半円形を作り、前後に動かす。お猪口(ちょこ)で日本酒を飲む様子を模したこのジェスチャーは、中高年の男性がよく使う。若い人はあまりを使わないが、日本人であればだれもがこの意味を知っている。
両手を握って人差し指だけ伸ばし、それを頭の上に置いて鬼の角を表す。衝動や怒りも魔が差す行為であると考える日本人は鬼を示すことで怒りを表す。
両手の手のひらを顔の前で合わせる仕種は、他人にお願いをしたり、謝ったりするときに使う。食事の前後に「いただきます」「ごちそうさまでした」という時もこのジェスチャーで感謝の意を伝える。神仏に祈りを捧げる時も同様に手を合わせる。しかし、日常生活でこのようなジェスチャーをする時はお願いや相手に許しを請いたりする場合が多い。基本的には友人同士の間で使うもので、公の場で使うと失礼にあたる。
両手を胸の前で組む動作は、外国人が日本人と接触する際に特に注意を払う必要がある。多くの国ではこの姿勢は憤慨した気持ちを表すものだ。しかし、頻繁にこのポーズをとる日本人は、多くの場合、深く熟考中であることを示している。日本人はこのポーズをとる際に少し頭を斜めに傾けるが、この際に、相手が困惑した表情を浮かべていないか、不満が表れていないかをよく観察する必要がある。