中国はとても正直でおおらかだ。中国外交部(外務省)は16日、南沙(英語名スプラトリー)諸島での建設活動の近況と立場を自ら公表し、3つの情報を提供した。第1に建設プロセス。中国は既定の作業計画に基づき、南沙諸島での埋め立て活動を近く完了すると宣言した。第2に建設の目的。中国は必要な軍事・防衛上のニーズを満たす以上に、各種の民間上のニーズが大きいと強調した。第3に南中国海問題の処理に関する立場。中国は紛争の平和的解決という誠実な意向を際立たせた。(文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
だが特定の国はじっとしていられなかった。中国側の発表に対して、フィリピン国防省報道官は「利己的行為の自制」「国連海洋法条約の定める国際的に一致して認められる準則の遵守」を要求し、中国の行動は「取り返しのつかない結果」をまねくと妄言を吐いた。この3点をどう見るべきか。
第1に、フィリピンが中国を「利己的」と非難するのは筋が通らず、期待する効果も得られない。フィリピンは確かに南沙諸島での中国の建設活動に声高に反対することはできるが、検証に耐えうる根拠はなく、中国の合法的な行為を阻止する有効な手段もない。埋め立てが近く完了すると発表した後、中国外交部報道官は同日の記者会見で「工事の進展状況は各島・礁で異なるため、いつ完了するかは工事の進捗状況と各方面の条件により決まる」と補足した。中国は引き続き自国の主権の範囲内で権利を行使し、特定の国の異議のために放棄することはないということが分かる。フィリピンは中国を建設中止に追い込もうとしても、徒労に終わる運命にある。
第2に、フィリピンは口先では国連海洋法条約の遵守を声高に叫んでいるが、実際には係争解決の正しい道を避けている。南中国海の領有権争いを解決する正しい道は二国間交渉にある。フィリピンは交渉を拒絶し、頑として常設仲裁裁判所への一方的な仲裁申し立てを行った。フィリピン最高裁判所の裁判官にいたっては、南中国海紛争についてひとたび中国と二国間会談を行えば「フィリピンは中国のわなにはまる恐れがある」と魂胆をもって戒告した。