日本の総合研究所がこのほど観光振興に関する報告書を発表した。同報告書によると、訪日中国人観光客の観光目的地が東京から日本の各地方都市に拡大していく傾向にあるという。現在、圧倒的多数の中国人観光客が東京や大阪の大都市に宿泊しているが、東京の宿泊施設の受け入れ能力が限界に達しているため、さらに「訪日リピーター」が増加すると、中国人観光客の多くが地方都市に向かうようになるという。同報告書は、中国人観光客を取り込みたい地方都市に対して、より地元の特色を活かしたPRを行うよう呼びかけている。
日本政府観光局が発表したデータによると、日本の各都道府県別の2014年中国人観光客の累計宿泊人数ランキングは、1位が東京都、2位が大阪、3位が成田空港のある千葉県の順となっている。
中国訪日観光客の「黄金ルート」とは、成田あるいは羽田空港から東京に入り、その後、京都と大阪を周り、最後に関西国際空港から出国するもの、あるいはその逆パターンのルートだ。報告書によると、この「黄金ルート」は現時点でも明らかに依然として人気が高い。
中国人観光客が集中的に訪日する春節(旧正月)や桜のシーズンは、東京などのホテルが満室で取れない現象が起きている。報告書では、2014年に「黄金ルート」沿いのホテルなどの宿泊施設の客室稼働率が他の地域よりも高いことや、「都市圏の受け入れ能力の限界が中国人観光客を地方都市に向かわせる」ことを具体的な例を挙げて指摘している。
また、報告書で強調されているのは、2014年に訪日した中国人観光客の中で、訪日が2度目以上の訪日リピーターが44.2%に達している点だ。このほかにも、「黄金ルート」を回ったリピーター客が「新しい体験」を求めていることも指摘している。このため、中国人観光客を取り込むには、地方の特色を活かした、「『黄金ルート』にはない独特な体験を提供できる」サービスの展開が必要であると呼びかけている。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年6月17日