(2)円安と中国人観光客の旅行熱とは共振しあっている。14年はアベノミクスが「3本の矢」を放ち、日本版QEをうち出した要の年であり、同年の中国人のアウトバウンド観光客数はのべ1億人を超え、消費額は1500億ドル(約18兆5550億円)に達し、いずれも世界一だった。
(3)他の市場の中国人観光客に対する態度と比較すると、日本は確かに努力を重ねている。
中国人観光客が世界中を旅すると、観光消費をもたらすだけでなく、資本プロジェクトもついてくることになる。最も直接的なものは不動産プロジェクトへの投資だ。欧州債務危機の頃、中国人は欧州の不動産を買い、低迷した欧州の経済にタイミングよく手をさしのべた。
在上海日本国領事館の小原雅博総領事は、「中国人投資家による日本の観光分野への投資はまたとないビジネスチャンスだ。私の知るところでは、中国人投資家は日本のホテル、ゴルフ場、総合レジャー施設などのプロジェクトにも投資を始めている。中国資本が日本でより大きな役割を果たすことを願う」と話す。
グローバル化とは、人のグローバル化と資本のグローバル化のことをいう。国際貿易で利益をもたらす要因は、すべてこの活き活きとした人と資本のグローバル化によって主導されている。日本はそのことをよく知っており、そのうまみもよく知っている。1980年代には日本の資本が世界中を駆けめぐり、米国人に「日本は米国を買い上げてしまうのではないか」との懸念を抱かせた。時は流れ、世は移ろい、今や中国人と中国資本が主役を演じる時代になった。国家戦略である「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)だけでなく、民間の観光客や資本の動きも大いに注目に値する。日本がしっかりと対処できるなら、中国人観光客と中国資本は日本経済を活性化し振興する大きな力になる。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年6月26日