「韓国人は羊肉を食べない」という記述を韓国の書籍で見たことがある。これは自然条件が形成する習慣や食文化にその理由があると考えられるが、今、中国の「羊の串焼き」がその歴史を塗り替えようとしている。環球時報が伝えた。
中韓の国交正常化以来、韓国で働く中国人の数は増加を続け、2014年末時点でその数は89万8,600人にのぼり、長期滞在者はソウルだけでも20万人近くにのぼる。人の移動に伴い、中国の食文化も韓国に持ち込まれるようになり、羊の串焼きはその代表的なものといえよう。調理方法がシンプルかつスパイシーな旨味が万人受けすることから、羊の串焼きを看板メニューにした中華料理店は雨後の筍の如く登場し、中国人留学生の多い建国大学近辺の飲食店街では、800メートルある道の両側に、実に100軒近い羊の串焼き店が軒を連れ、立派な「羊の串焼きストリート」と化している。店主は中国の東北地域出身の人が多いことから、店名も東北地域の都市名が多く、自動回転式の串焼き機が用いられていることも東北地域の習慣とまったく同じだ。
以前は店を訪れる客は故郷の味を求めてやってくる中国人が多かったが、今では韓国人も羊の串焼きの旨さを知り、地元の韓国人も数多く足を運ぶようになっている。とりわけ、過去に中国留学を経験し、中国で食べた羊の串焼きの味が忘れられないとやってくる韓国人が多いようだ。そうした客が友人を連れて訪れ、その旨さがまた広まると、「羊ファン」はさらに増え、店舗もソウル以外の街へと拡散していった。ネット上でソウルの羊の串焼き店を検索すると400件以上の店舗にヒットするほどだ。記者がソウル以外の街へ出張にでかけても、至る所で羊の串焼き店を目にする。