中国国内には、安全で安心して子供に飲ませられる小児薬はないのだろうか?国家食品薬品監督管理局の統計データによると、今のところ、中国国内には薬品メーカーが約4千社あるが、小児薬を専門に生産しているメーカーは全体の5%にも満たず、薬品の90%は、子供が服用できる仕様になっていない。
小児薬の各種指標は、成人薬よりずっと厳格である上、適用対象の年齢層は狭く、味に対しても特別な調整が必要であることは、メーカーの生産・開発コストを押し上げる原因となっている。また、市場ニーズが不安定であり、臨床試験のリスクが大きく、ほとんどのメーカーは、「小児薬」という潜在性の高い分野にあえて闘いを挑もうとはしない。
小児薬のほか、他のいくつかの日本製常備薬も、革新的科学技術を採用し、念入りな製品開発を経た結果完成した優れた製品であるため、中国人観光客の間で極めて人気が高い。
多くの中国人観光客が、日本製常備薬に対して、「優れた製品、合理的な価格、安全で安心して使える」というイメージを心の中に抱いたことだろう。一方、中国製薬品については、定価が高すぎる、特定の人々やあまり多く見られない疾患用の薬が少ない、といった印象を持っており、それほど安心して使えないようだ。
〇「外国で爆買い」現象を再考する
実のところ、中国人観光客に人気がある日本製品は、常備薬に限らない。この種の報道は、さまざまなメディアで頻繁に見かける。日本製「神薬」の大ヒットは、中国の製薬メーカーが、市場を研究し、新製品を開発する上で、さまざまな有益なヒントや参考を提供している。
経済評論家の呉暁波氏が中日両国の製造業をテーマとして著したコラムに、「メイドインチャイナの将来は、人の心を感動させるような製品を生み出すことができるか否かにかかっている。それ以外のところにはない」という、印象深い一節があった。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年7月13日