米国の各有名大学が卒業シーズンを迎えている。卒業と同時に、多くの中国人留学生が「今後の身の振り方」の選択に迫られる。十数年前とは違い、「卒業後も米国に留まる」ことは、この数年の中国人留学生にとって、もはや第一選択肢ではなくなった。一方、中国を取り巻く大きな局面がスピーディに変化するなか、米国での就業圧力は依然厳しく、移民政策もたびたび変わるという状況を踏まえ、「帰国してキャリアアップを目指す」道を選ぶ中国人が増えてきている。人民日報海外版が報じた。
抽選による外国人向け米国就労ビザ(H1B)発給策は、「帰国ブーム」を後押しする重要な推進力となっている。この2年間、H1Bビザの抽選に漏れた多くの中国人留学生は、1年間働いた会社を離れざるを得なくなった。この政策によって、多くの中国人留学生にとって、「卒業後も米国に留まる」という選択は、大きく遠ざかることとなった。
米国の大学を半年前に卒業、貿易会社に職を得た中国人留学生の金さんは、「米国で職は見つかり、会社も私が就労ビザを取得することを支援すると言ってくれた。それでもやはり、私は中国国内での就業チャンスを伺っている。就労ビザの取得が抽選によって決まるとなると、抽選に当たる自信が十分ある人など皆無だろう。不安を募らせながら抽選の結果を待つくらいなら、さっさと中国で仕事を探して帰国した方が良いかもしれない」と胸の内を明かした。
就業をめぐる米中両国の環境の変化が、「卒業後帰国する」という選択肢を選ぶ人が増えたもう一つの要因だ。金融危機以来ずっと、米国の就業問題は、米国政府が頭を抱える難題となっている。「この上、留学生の就業問題にまで関わってはいられない」というのが米国の本音であろう。
ペパーダイン大学公共政策学部を昨年卒業した于さんは、「まず、我々文系の学生を取り巻く状況は、理系エリートとは全く異なる。米国で仕事を見つけることは、極めて難しくなっている。言語の上でのハンディキャップに加え、報酬面で堂々と希望を提出する勇気もない。反対に、中国に戻れば、高い報酬の仕事を得るチャンスはもっと増える」と話した。