国務院の李克強総理は10日、世界経済フォーラムのニューチャンピオンズ年次総会2015(第9回夏季ダボス会議)で特別挨拶を行った。その中で、中国経済を「脈診」し、現在、国内外で関心の的となっている経済のホットポイントについての回答を述べた。李総理は、「現在の中国経済の流れは緩やかに安定に向かい、安定しつつ好転しており、安定の中には難問もあるが、全体としては課題よりチャンスが大きい」と指摘するとともに、「国際市場と密接に関連した経済体として、グローバル経済の状況が全体として低迷している時に、中国は自国だけがいいという態度を取るわけにはいかない」と注意を促した。
(1)下方圧力を弁証的にみる
経済データの低迷、資本市場の変動、人民元切り下げ……中国経済には一時に問題が押し寄せたとみられる。
李総理はこれについて、「中国経済は今まさに新旧の動力エネルギーが入れ替わる段階にある。製造業が粗放型の成長から集約的な成長へのバージョンアップの発展を遂げ、投資による牽引に過度に依存したモデルから消費と投資がバランスよく牽引するモデルへの転換を遂げるのは、痛みに満ちた非常に苦しいプロセスであり、この期間の経済成長は変動や起伏を免れることはできない。これは調整・モデル転換期における正常な現象の一種であり、中国医学でいえば『脈象』(脈拍の変化)だ」と述べた。また、「十分な雇用があり、国民の所得の伸びと経済が歩みを同じくし、生態環境が絶えず改善されれば、経済成長率が多少高くても低くても受け入れることが可能だ」と強く主張した。