国家外匯局がこのほど発表したデータによると、昨年末現在、対外資産負債残高は5兆元(1元は約19.4円)に達し、前年同期比2.5%増加した。うち短期債が約7割を占めており、対外債務は全体として制御が可能だという。「京華時報」が伝えた。
同局のデータによると、2014年末現在、対外資産負債残高は5兆4793億元に上り、前年同期比2.5%増加した。増加率は13年の17.12%、12年の6.04%をそれぞれ下回った。
期限の構造をみると、中期債および長期債が1兆6788億元(約2744億ドルに相当、1ドルは約120.1円)で30.6%を占め、同7.5%増加し、短期債が3兆8005億元(約6211億ドルに相当)で69.4%を占め、同0.4%増加した。短期債のうち、貿易関連が70.5%を占めた。
アナリストは、「中国の短期対外債務の大部分は貿易関連のもので、これまでの経験を踏まえると、貿易によって生じた債権・債務は、債務リスクを招かない。同時に、短期対外債務と外貨準備が占める割合は非常に低く、いずれも国際的に認められた安全ラインを超えていない」と指摘する。
雲核変量外匯交易学院の取引担当者指導員・リスクヘッジファンド部門の取引担当者劉夏さんによると、「対外債務は米ドル建て、ユーロ建てが中心で、変動しやすい。国家外匯局のまとめたデータをみると、通貨の構造では、登記された対外債務残高のうち、米ドル建て債務が80%、ユーロ建て債務が6%、日本円建て債務が4%を占め、特別引出権(SDR)や香港ドルをはじめとするその他の外貨建ての債務が計10%を占めた。米ドル建て債務が中国の対外債務全体に占める割合は大きく、目下の『強い米ドル』の勢いが中国の対外債務の為替変動リスクを増大させ、対外債務の負担を重くした」という。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年4月8日